No.195 高橋監督の集大成
f0136083_1353416.jpg  1月17日のスタートミーティングから3月11日の開幕前最後の練習試合までを高橋監督は「長かったですねえ」と振り返った。2月20日のJリーグ準加盟決定を筆頭にして、この間にチーム強化や会議・打ち合わせ、メディア対応、それに本職の中学教諭の仕事と、やることがヤマほどあった。気付いたら開幕まで1週間。3月12日には東京のJFAハウスでJFL記者会見があり、懇談の場で私に「いよいよ始まるんだな、という実感がわいてきました」と、本当に実感のこもった顔で言った。
  思えば昨シーズン終盤、富山県魚津市での後期第16節・YKK AP戦。1-1で終了し、記者団のインタビューに答えた後、高橋監督はロッカールーム隣の薄暗い用具置き場のような所に4バックの4選手を集めた。帰りのフライトまであまり時間がなかったはずだが、かなり長く、10分以上も4人に対して大きな声を交えながら話していた。近付いて耳をそばだてる雰囲気ではなかったので、後で監督本人に話の内容を聞いた。「きょうの流れの中では、エースが1点取ったのだから(吉田賢太郎の28分の先制ゴール)、何が何でも守り切らなければ。4バックは鉄壁でなければならない。絶対に失点しない―それがディフェンスの心なんです。そういう自分の価値観を求めていかなければならないことを言い聞かせました」。
  お互いに死力を尽くした好ゲーム。栃木にとってはアウェーで強敵に引き分けたのだから、冷静に考えれば及第点の試合だった。栃木の失点は、相手の見事なカウンターから。しかし高橋監督は、失点を許容しようとはしなかったのだ。この時、監督続投を胸に秘めて来季につながる指導を意識したのか、降板を心に決めていて最後の情熱を若い選手たちに注いだのか。監督の去就が水面下にあった折、誰にも見られず守備陣を叱咤するシーンは、プロフェッショナルなサッカー指導者の姿だった。
  公認S級ライセンスを持つプロの監督の起用もウワサにのぼっていたが、5シーズン目となる高橋監督の集大成という意味でも、2007年シーズンは私たち地元ファンの応援に一層気持ちが入るというものだ。結果が「4位以内」ならJ2昇格が現実のものとなる。「いや、優勝を目指します。目標は、昨季のホンダの勝ち点83を上回る勝ち点86。そのくらい高い目標を設定しなければ優勝はないし、優勝を目指さなければJ2昇格はないんです」。スタートミーティングで「自分のサッカー人生すべてをかける」と決意表明した高橋監督。栃木SCを率いて、ついにJロードの一本道を歩み出す。
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by tsc2007 | 2007-03-13 22:46
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