No.171 ヴェルディ戦1
f0136083_17295057.jpg 第86回天皇杯は栃木SCにとって歴史的な大会となった。3回戦に進出した栃木は、J2・東京ヴェルディ1969と、東京都調布市の味の素スタジアムで対戦。60分に右CKのこぼれ球をエース吉田賢太郎が押し込んだ1点を守り切って勝った。「カップ戦は何が起きても不思議ではない」というサッカーの格言を地で行く結果。いや、むしろ「栃木SCがヴェルディに勝っても不思議ではない」と言い換えても言い過ぎではない。0-0で前半を終えた時、栃木勝利のにおいを嗅ぎ取ったファンは少なくなかったと思う。
「入念な準備と勝利への強い意志」。これが勝因だ。栃木は9月23日の2回戦で埼玉県代表の尚美学園大に勝ってから3回戦まで、2週間の時間があった。その中間の週末には宇都宮市内で1泊2日のミニ合宿も非公開で実施。いつもの3バックではなく、4バックのトレーニングをやった。JFLリーグ戦の途中ではフォーメーションを動かしずらいが、カップ戦は別だ。しかも相手はヴェルディ。JFLで3バックの両脇を突かれて対応できても、ヴェルディには通用しないだろう。「海本や石川のサイドバックにオーバーラップされてフリーでクロスボールを入れられるのは危険」と高橋監督は迷わず4バックを考えた。実は2回戦の最後の10分間を4バックで戦った。直接の理由は、交代投入された186センチの長身FW対策だったが、監督の頭の中にはヴェルディ戦の4バックに向けてDF陣に実戦感覚に触れさせる意図があったはずだ。試合前日には、人工芝の鹿沼市自然の森総合運動公園でセットプレー(CK)の確認をしてから、前泊地の八王子に向かった。
3・6・1から4・5・1(あるいは4・4・2)に布陣変更しても、試合中の選手たちに迷いはなかった。入念な準備のたまものだ。加えて、勝利への強い意志が栃木サッカーの90分間を貫いていた。試合後のラモス監督は「栃木のモチベーションは高かった。失うものは何もないという気持ちで戦ってくるチームが一番こわいんです。栃木は90分間、必死で戦った。見事です。Jリーグに勝ちたい夢を持って、100%の力を出し切った」と、栃木のモチベーション(士気)がヴェルディの力を上回ったことを認めた。決勝点の元J1戦士・吉田も同じことを指摘して「向こうはやりにくかったと思います」と言った。
両チームとも試合を分析して修正点や勝因・敗因を検討するのだろうが、私なりに一言で表現すれば「準備と意志」によって栃木にもたらされた勝利だったと思う。栃木SCにとって重要な歴史が刻まれた2006年10月8日。その戦いぶりは次回コラムに。
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by tsc2007 | 2006-10-09 17:29
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