No.163 真夏の夜の悪夢
f0136083_18215543.jpg ショッキングな逆転負けを喫した8月26日のアルテ高崎戦。敗因を「決定力不足」と言う人は多いだろう。しかし、私は例によってこの言葉は使わない。ノーゴ-ルで敗れたなら仕方ないが、1点取っているのだ。佐野の決定力がスタンドの4000人以上の地元ファンを沸かせた事実は、敗戦によって消えるものではない。1-0はサッカーの基本。最低限のことはやった。それでは、2失点した守備が悪かったのか。PKからの失点と、勝ちに行った裏を突かれた失点。もし、つまらないチームだったら1-1の引き分けで十分だった。2失点目は、栃木が面白いチームであることの証しだ。
  PKを取られた82分(高崎の得点時間は84分)のシーン。栃木からボールを奪った高崎は貞富が右寄りから持ち込みアーリークロスを入れた。ゴールニアサイドのペナルティエリア内に高崎のアタッカー2人が侵入した。ストッパー・横山を越えたボールを、高崎FW浅野が胸トラップしてシュート態勢に移ろうとした。栃木は遠藤と石川がマークに入り、GK原もダッシュする姿勢だった。石川は「相手の胸トラップがうまかった。自分はゴールをカバーしようとした。シュートされても原に当たってくれれば、と思った」と、その瞬間を振り返った。「阻止」の判定で一発退場処分を食らった遠藤は試合後、多くを語らなかったが、故意ではないにしろ脚がからんでしまったことを悔やんだ。
  残り数分。「後ろのバランスを崩さなければ」(高橋監督)と、1人少ないリスクの中、栃木は総攻撃に転じた。ホームの大観衆に勝利をプレゼントしたい。勝ち点1では優勝レースからさらに遠ざかる。ギャンブルというよりは、純粋に勝利を目指す姿勢。2失点目はその結果だ。逆転負けは痛恨だが、最後まで点を取りに行ったチームの姿勢は尊い。
  決定的シュートを何本も外したエースの吉田賢太郎は「この結末は自分の責任」と意気消沈。「相手のタイミングを外して打てたり、振り向きざまのシュートで入ったかなというのが2~3本はあった」と、ピッチ内での感触は悪くはなかった。「決めて来い! と監督に送り出されているのに、その約束を果たせなかった」と、悔しさに顔をゆがめた。高橋監督も「2点目を取れなかったのが分かれ道だった。切り崩してからのフィニッシュもあり、入っていれば勝ち切れたのだが」とぼう然自失。
シュート数は高崎の倍以上の19本。どれも惜しかった。フィニッシュさえ覚束なかった一時期から見れば、高崎戦は上向きだった。少なくとも、4-0で勝ったソニー仙台戦よりも、その点においては上だった。大観衆のホームで、ロスタイムの失点による逆転負けという過去最悪の結末。この「真夏の夜の悪夢」は、次の足利(佐川急便東京戦)で覚まさなければならない。
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by tsc2007 | 2006-08-29 18:21
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