No.158 後半の攻防
f0136083_1825111.jpg 1回のコラムで1試合を収めたいのだが、ずっと栃木SCの試合を見続けていると、書きたいことが山ほどあって、どうしても1試合2~3本は書いてしまう。私自身は何回分を書いても平気なのだが、せっかく読んでくださる人たちが苦痛だろうなと思って、これでもずいぶんセーブしているつもりだ。横河武蔵野戦のMF西川が最後まで全速力で走っていたことなど、書き出したらそれだけで1回分になるが、ここでは触れずに、横河戦の後半を振り返ってみたい。
  1-1で折り返した後半。横河は「前半は栃木の攻撃への対応でキツかったが、後半は行ける感じはあった」(古矢監督)と、両サイドから速い攻撃を意識。栃木は「只木がベテランのプレーで追いついてくれた。左から勝負」(高橋監督)と切り札・茅島を左サイドに投入した。西川のシュートで始まり、種倉や堀田のミドルシュートや、金子がDFを振り切ってGKと一対一になりかけたりして、栃木はサイドをつなぐ展開からシュートチャンスを作った。守備的な横河はカウンター狙い。栃木の高いDFラインを左右から突破してドリブルで迫りシュートするシーンが何度もあった。栃木GK原は、ほとんどを正面でキャッチした。「やぁやぁ我こそは…」といった戦国武将の一騎討ちのような形が多かったが、勢い良く走り込まれての強シュートを何なく止めた原の冷静なポジショニングは高く評価されるべきだ。
  もし原のナイスセービングがなかったら、7本8本と浴びせられるシュートの1本くらいは栃木ゴールをえぐっていただろう。同様に、横河GK井上にはよく守られてしまった。とりわけ75分に訪れた茅島のシュートの場面は息を呑む一瞬だった。池田からパスを受けた左の茅島は完全にフリーだった。左45度。茅島は左足で渾身のシュートを放った。ゴールのファー側は、スライディングしてきた池上とその裏に寄せてきた本多がコースを切った。シュートはニアに向かった。そこは元コンサドーレ札幌のGK井上の守備範囲だった。井上は両手で強烈なシュートを弾き飛ばした。「決まっていれば、試合も決まっていたはず」と、茅島はこれまで見たこともない悔しそうな顔でその瞬間を振り返った。
右の只木、左の茅島がよく機能し、栃木はビッグチャンスを繰り返した。2連敗中には影をひそめた前線の連動性や全体的な運動量、ここぞの場面に全力で走るガッツ、何とかしようと声を張り上げる精神的スタミナ。いずれも、本来の栃木に戻りつつある印象を受けた。ああ本当に、もっと行数があったら、西川の90 分間+ロスタイムの全力疾走を、この試合を見ていなかった栃木SCのファンたちに伝えたい…。
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by tsc2007 | 2006-08-09 12:24
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