No.153 不思議でない●
f0136083_18283452.jpg 佐川印刷戦の後、会う人会う人が決まって「なぜ下位に負けるんでしょうかねえ」と言う。私は「本当に、なぜ栃木は下位チームに苦戦するんでしょう」と相槌を打つしかない。ただ、高橋監督が「JFLは一瞬のスキで流れが変わる」といつも言っているように、下位だ、楽勝だと侮れるチームは一つもない。まして、Jリーグでの指導歴が長い松永英機監督率いる佐川印刷だ。リーグ成績の低迷と一試合の結果は相容れないこともある。松永監督は前期の栃木市での敗戦が悔しくて仕方がなかった。うまく試合を運んで、最低でも1-1の引き分けのはずだったのに、終了間際に栃木にPKを取られて敗れた。この時にはエース町中が出場停止だった。私はその試合を「薄氷の勝利」と表現し、佐川印刷を「マイナス要因がプラスに転じれば、まったく侮れないライバル」と書いた。後期の対戦では、町中が先発し、DF葛野が復帰し、ホーム戦というプラス要因が重なった。我々には見えない部分での向上もあっただろう。敗戦は決して不思議なことではなかったのだ。町中と葛野のゴールで決着したことが、それを象徴している。
  栃木の前3人に仕事をさせない、サイドアタックで栃木の3バックの左右を突く、中盤でのプレスを厳しく行く、セットプレーから得点する……。前期対戦時と同じ狙いを持ち、そこにいくつかのプラス要因を備えた佐川印刷は手ごわかった。栃木の攻撃をフィニッシュさせない(シュートさせない)戦術がズバリ的中した。栃木はフィニッシュまで行かないから、前がかりの途中から相手の攻撃になって、攻守の切り換えに余計なエネルギーを使い続けることになった。これは少なからず、終盤の反撃に影響を与えた。「GKも含めたDF、ボランチ、中盤が相手の動きによく対応して、栃木にやりたいことをさせなかった。守備が良かったので、ゴールに対する気持ちもつながって、いい時間帯での得点になったと思う。前期の借りを返すという強い意識の下、我々のプラン通りの試合ができた」。試合後の松永監督は、確信に満ちた話しぶりだった。
  高橋監督は後半途中、左に茅島、右に北出を投入して勝負に出た。特に、茅島を左サイドの高い位置で起点にしたかった。しかし、「クサビを入れて相手を集中させてから外の茅島を使うような一工夫が足りなかった」と、単調になった組み立てを悔やんだ。CKでは茅島をキッカーに、ショートで堀田につなぎ、ピンポイントのクロスを上げさせる作戦も狙ったが、うまくいかなかった。
  栃木は68分、J2湘南ベルマーレから加入したMF北出勉が初出場した。プレシーズンにひざを故障しリハビリを続けていた。70分には相手が1人少なくなったので右サイドでフリーになることが多かったが、長いリーグ戦に向けていい試運転となった。上位陣との連戦を前に、期待できる戦力が加わった。
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by tsc2007 | 2006-07-27 18:28
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