No.136 カードの考え方
f0136083_2114251.jpg 前回コラムで、DF照井が「最後に重要な出番があった」と書いた。足の故障で6試合ぶりのピッチとなった照井は、前期第12節・佐川急便東京戦の76 分、MF久保田と交代して出場した。その3分前、佐川は188センチの長身FW竹谷を投入し、「大久保(190センチ)との前の二人にボールを入れていく作戦」(田中監督)に出た。1-2から同点を狙ったパワープレーだ。これに対して栃木・高橋監督は「竹谷が出てきたら照井で対抗することを考えていた」と、迷いなく照井を呼んだのだった。大久保と竹谷を照井と山崎が一対一で見る4バックにして守りを固めた。迫力の空中戦。二人とも、高さではどんなFWにも負けない。頼もしかったし、ゲームはいよいよ緊迫してきた。
  それなのに、計算通りだった高橋監督に誤算が生じた。77分、栃木の右サイドで事件が起きた。只木が相手選手に前に入られて、後ろから手がかかって倒した。ホイッスル。単なるファウルかと思ったらイエローカードが出た。「厳しいなあ」と思っていたら、主審が今度はレッドカードを掲げている。只木に対してだ。しばらく騒然としたが、只木はピッチを去った。判定は、「ラフ行為」に続く「遅延行為」で2枚のイエローカード、つまりレッドカードということだった。只木は笛が鳴ってから、確かにボールを足で動かした。ファウルの位置にボールを戻す動きだったが、それを主審は遅延行為(というよりは反抗的態度)と見たようだ。私の個人的な見方だが、倒したプレーは単なるファウル(相手に直接FK)で良かった。もしカードを出したとしても、2枚目の行為に対しては、言葉で注意すれば良いではないか。「今の、カードが出るプレーだよ。次は出すよ」くらいのことを言って…。あるいは遅延行為の方にカードを出すとか…。佐川ベンチのすぐ前だったことが判断に影響したかもしれない。
  攻防がいよいよ切羽詰まってきた87分にも不可解なカードが出た。栃木のファウルで佐川のFK。同点へと攻め急ぐ佐川は、MF山本が素早くボールを前線にフィードしようとしてキックした。それが、近くにいた高秀の後部に当たった。すぐにボールから離れなかった高秀にイエローかと思ったら、山本に出た。山本と高秀の立場を考えれば、ファウルの考え方としては逆ではないか。意図的に高秀にぶつけたならいざ知らず、山本にそんな余裕があるわけがない。
  只木が退場した栃木は4・4・1にして耐えた。佐川は右サイドバックの高橋が89分に2枚目のイエローで退場し、反撃の勢いが陰った。結局、栃木が2-1で逃げ切ったが、水しぶきが上がる困難なピッチで、両チームとも戦術・戦略を駆使して戦っていたのに、判定でさらに水を差された感がある。2週続けて判定への不満など書きたくなかったが、優秀な審判が何人もいるのだから、真剣勝負が続くリーグ戦では的確かつ流れに合った判定を期待したい。
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by tsc2007 | 2006-05-30 21:01
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