No.135 内容よりも勝利
f0136083_2123356.jpg かろうじて逃げ切った。前期第12節の佐川急便東京戦は、そんな感じの試合だった。前半は栃木、後半は佐川。展開がこれほど前後半でくっきりと色分けされる試合も珍しい。栃木は、この試合から上位陣との5連戦という正念場に入った。「直接対決で行く」と言っていた高橋監督も、ヒヤヒヤの勝利に「内容よりも、勝つしかない」と胸をなでおろした。
前節のソニー仙台戦と同じスタメン。違うのは、控えにDF照井が入っていたこと。脚の故障で離脱し6試合ぶりだったが、最後に重要な出番があった。5月の追加登録後2試合目の先発だったボランチ久保田は、結果的にこの日のヒーローとなった。
  午前中の雨の影響で水含みのピッチに滑るシーンが続出。ボールは止まるし、踏ん張りは利かないし、蹴り込むサッカーをしない栃木にとっては「ストレスを感じる試合」(高橋監督)となった。そんな中、アウェーだろうとどんな状況だろうと関係なく攻撃サッカーを挑む栃木が押し気味になった。31分には吉田がペナルティエリア内で倒されPK。吉田自身が決めて先制した。35分の久保田のミドルシュートは、久々に見たビューティフルゴールだった。西川のシュートによって左CKを得た栃木は、中川がゴール前に合わせ、相手DFがクリアしたこぼれ球を約20メートルの位置から久保田が左足ワンタッチでシュート。抑えの効いた弾道は真っ直ぐ佐川ゴールネットに吸い込まれた。
そのシーン。「横さん(横山主将)に言われたポジションにいたらボールが来ました。ボールを持って、もし取られてカウンターを食らったら一番こわいんで、シュートしか考えませんでした。水たまりがあって、うまい具合に足が滑ってくれて、ジャストミートじゃなかったけど、いい感じで行きましたね」。久保田は栃木での初出場となった前節にも2本のミドルシュートを放ち、練習でも意識してゴールを狙っていた。高橋監督は「(久保田は)いいミドルを持っている。今日は思い切ってやってくれた。新加入の選手が活躍するとチームが活性化するね」と満足顔だ。
後半、「積極的に攻めて、早い時間に点を取ろう」(田中監督)と佐川が攻勢に転じた。5分後、山本が押し込み1点差。その後も佐川はパスをつなげ、セカンドボールもなぜか佐川側に集まった。後半の栃木の公式シュート数はたったの1本。佐川は6本。「後半はウチのリズムになった」(田中監督)との言葉通り、2点差を早い時間に1点差とされた栃木は冷や汗のかきっぱなし。77分には只木がまさかの連続イエローで退場だ。昨シーズンの同点シーンが頭をよぎった。虫の息になりかけたチームを救ったのは、応援歌や拍手でホーム側を圧倒し続けた大勢の栃木サポーターとファンだったと思う。正に「12人目の選手たち」だった。
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by tsc2007 | 2006-05-30 12:02
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