No.134 高橋監督の涙
f0136083_2132057.jpg 前期第11節のソニー仙台戦終了直後、栃木・高橋監督が、引き上げる審判団に向かって行った。「判定のことで聞きたいことがあった」からだが、剣幕を察知したスタッフが止めに入った。進もうと躍起になり、押し合いになり、激高してきて、最後は横山主将ら選手たちにガードされ、引き下がった。控え室に戻る監督は目を真っ赤に泣き腫らしていた。
  事の発端は前半14分のプレー。左サイドの中川が精度の高いアーリークロスをFW吉田に合わせた。これを吉田の前で仙台MF門馬がハンド。ホイッスルが鳴り、主審が門馬にイエローカードを示した。ハンドした位置はペナルティエリアの中。PK獲得! 誰もがそう思ったろうし、私は誰よりも近くて見やすい位置(カメラマンライン)にいたので「中だった」と主張できる。ところが、副審と相談した主審が指差したのはエリアのわずか外。吉田はもちろん、横山主将も只木も抗議したが、認められるはずもなかった。
  その6分後。仙台は、石原のパスに平間が抜け出しドリブル突進。栃木GK原と一対一になり、原はダッシュして両手でセービングに出た。これが平間の足をかっさらった反則と見られてイエローカード。今度はPKだ。もし原の反則なら「阻止」でレッドカードのはずだが、公式には「反スポーツ」と記録された。主審の頭に一瞬、数分前の判定のことがよぎったのだろうか。観客席のいい位置で見ていた知人は「石原からパスが出た時点で平間は戻りオフサイドだった。副審が見逃した。最後も平間のダイビング」と言った。近くで見ていた仙台側の関係者は「カードが出て当然」と言った。
  高橋監督は、最初のプレーはPKで、次のプレーは相手のシミュレーションだと見た。それを試合後、主審に確認したかったのだが、話もできなかった。「両チームにとって、どれだけ大事な試合だったことか。たくさん入ったお客さんやサポーター、県民の皆さんのために、我々は真剣勝負しているんです。それを審判は理解して笛を吹いてほしい。知識だけじゃなくて、必要な目と体力をきちんと身につけてほしい。判定がくつがえらないことは分かっているけど、僕の気持ちを分かってもらいたかったんです」。審判との接触を諦めて振り返ると、汗にまみれた選手たちが目に入った。みんな笑顔だった。最後まで頑張った選手たち。抑え切れなくなって、みるみる涙があふれてきた。
  かつてガリー・リネカーは、得点を取り消されたことに関して言った。「オフサイドじゃなかったけど、これからの試合ではオフサイドでもゴールと認められることがあるかもしれない。だから審判に文句を言ってはいけない」。ジーコはJリーグでプレーしていた時に言った。「私がレフェリーに抗議するのは、日本のレフェリーにも成長してもらわなければならないと考えているからだ」。
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by tsc2007 | 2006-05-24 21:03
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