No.219 風が吹いていただけ
f0136083_2275583.jpg  岡山県は、降水量1ミリ未満の日が日本一多いので「晴れの国」と言われているそうだ。前期第15節の三菱水島戦があった6月10日の天気予報は「曇りのち晴れ」だったので油断していたら、キックオフ直後に豪雨になった。雨だけならいい。強い風が三菱の側から吹いた。瀬戸内海からの風だという。まったく、この風のために、39分の三菱の右CKはファーポストに当たってゴールインしてしまった。後半には青空になって風も弱まった。過去4戦全勝の相手に0-1の敗戦。風が吹いていただけなのに、現実は厳しい。
  栃木はJ1広島から6月1日付で完全移籍した上野優作が、山下との2トップで先発した。小林と北出が出場停止で、新人の深澤がボランチとして初出場し、北出の位置には横山寛真が今季初登場。両サイドは左・石川、右・久保田。大降りの雨の中、上野や山下を前線のターゲットにしてゴールに迫ったが、先制機を逃し続けた。相手守備陣が栃木2トップを意識してゴール前を固める中、久保田がミドルレンジから積極的にシュートを放って、三菱のラインに揺さぶりをかけた。山下や石川にもチャンスがあったが、オフサイドや相手クリアで決められなかった。後半は右に永井、左に茅島を投入。高野を下げて吉田賢太郎をトップ下に入れ、4・4・2から3・5・2にして前がかりになったが無得点に終わった。ロスタイムの吉田のボレーシュートが惜しかった。
  前半は主に上野と山下をつかったセンター攻撃、後半はサイド攻撃を仕掛けたが、三菱の守備網は堅かった。三菱のセンターバック・萩生田は昨季まで栃木に在籍した選手。定位置をつかんだハードマーカーが高橋監督にキツい恩返しをした。さらに「サイドのオーバーラップを警戒されて、タテを切られていた。ウチのストロングポイントが機能しなかった」(高橋監督)。セカンドボールへの一歩の遅さ、数的優位で挑めないプレス、パス精度の低さなど、古くて新しい課題が目立った試合ではあったが、上野が入ったことでチーム全体に求心力を及ぼす核ができたような印象を受けた。これは、不振にあえぐ今の栃木SCにとっては意味があることだ。みんなが上野を見ることで、何かが変わるかもしれない。試合後に上野は、得点が生まれなかったことよりも、「チームとしてやろうとしていること」に重きを置いて語った。「できた部分とできなかった部分があった」「つながった部分もあるし、そうでないところもあった」と微妙な言い回しながら、「何もできなかった」とは言わなかった。Jのステージで11年間も実績を積んだ上野の目に、栃木の可能性が見え隠れしたのだと思う。
  1位・佐川急便、2位・FC岐阜が敗れた今節、勝ち点3を取れなかったのは痛い。ジェフリザーブズにも抜かれて7位転落。でも「なべ底状態」は、この試合が最後となるだろう。笠岡での試合は、これまでの流れの分岐点になる予感があった。キッカーの川口はいい選手には違いないが、栃木サイドとしては、ちょっと風にあおられてしまっただけだと考えたい。次の流通経済大戦は上野がホーム初登場する。ここからだ。JR宇都宮線だって上野が出発点ではないか。栃木は必ず優勝レースに復帰すると信じて、応援を続けよう。
[PR]
by tsc2007 | 2007-06-11 22:08
<< No.220 Better l... No.218 3人優位さえも逃した >>
栃木SCオフィシャルWebサイトへ