栃木SCふぁん!No.252 「お前らを忘れない!」
f0136083_1258243.jpg
  今季最終戦終了のホイッスルが鳴った時、サポーターたちが横断幕を広げた。メーンスタンドには「俺達はお前らを忘れない!俺達の誇り 栃木の勇者達」、バックスタンドには「お前達の作った歴史は忘れない ありがとう」。試合後に選手やスタッフ、サポーターたちが流した涙の意味がここに凝縮されていた。「お前ら」とは、もちろん、この日で栃木SCを去る選手たちのことだ。39人のうち残るのは9~10人との報道が試合日直前にあって、その中に栃木SCの歴史を作ってきた選手は一人もいないことが分かり、悲痛な感情が込もる横断幕の文字となった。
  今季プロ契約で契約更新しないのは北出、谷池、山田、西川、山下、吉田賢、石川、茅島、片野、永井、高野、金の12人。どの選手も惜しいが、とりわけ私たちをたくさん喜ばせてくれた賢太郎やベテランの域になった石川と高野、地元出身の西川、茅島、永井は残念だ。アマチュア登録のうち、契約するのは1人(高安)と聞いて内心びっくりした。ほかの選手はいわゆる「戦力外」。今季フル出場のGK原、連続フル出場新記録の鉄人・堀田、ミスター栃木SCの只木、いぶし銀の種倉、堅実な遠藤、玄人好みの横山寛、ハッスル男の佐野、気迫のGK星、スピードスター高秀、意欲ある林、センスの池田、突貫小僧の本田、才能を秘めた菊池、努力家の井野、得点感覚ある金子、技ありキックの毛利、密かに期待していた吉田貴。みーんな去ってしまうのか。歴史を作ってきた選手たちが、新しい歴史の扉をくぐることなく、追われるように裏の扉から出て行く姿は見るに忍びない。
  1年前。シーズンを振り返る当コラム(第192回)に、天皇杯出場を決めた時に写した全選手の写真を掲載した。バックナンバーで開くことができるが、写真のキャプションは欠落している。そこには「この笑顔の面々を私たちファンは忘れない」とあった。J2昇格を目指す新シーズンに、おそらく半分は入れ替わっているだろうと思っていたからだ。ところが現実には、監督も含めてほとんどのメンバーが残留した。これは信じ難かった。私が早くから再三「原因は1年前にあった」と主張しているのはこのことで、昨年やらなかった分、今年の柱谷監督とフロントの大ナタが非情かつ強権的に見えるのだ。プロスポーツの指導者は「私情をはさんではいけない」ことを学んでいる。歴史や地元のしがらみがない柱谷監督にはそれができた。苦汁の決断だったに違いないが、純粋に来季のJ2昇格だけを考えれば大改造は避けられなかった。
  今は、栃木SC丸が今季のように座礁してしまわないように、柱谷船長が万全の準備をしていると見るしかない。一方、退団した選手たちの今後も気になる。彼らが新チームを作ったらJFL中堅レベルの強さだと思う。他チームに移籍する選手もいるだろう。このまま終わってしまっては惜しい選手ばかりだ。どんな動きになるのか、注目したい。
[PR]
by tsc2007 | 2007-12-07 12:57
<< 栃木SCふぁん!No.253 ... 栃木SCふぁん!No.251 ... >>
栃木SCオフィシャルWebサイトへ