2006年 04月 19日 ( 2 )
No.124 晴天乱気
f0136083_2193231.jpg 開幕5試合で4勝1分け0敗(5位)と、かつてない好スタートを切った栃木SCに暗雲が湧き上がりかけている。主力の戦線離脱だ。上位との対戦が増える前期中盤突入へ、戦力は大丈夫か―。
  前期第5節・流通経済大学戦の後半5分、オーバーラップしたMF種倉が、相手選手との競り合いの直後に右太ももを抱えてうずくまった。肉離れで即退場。しばらくは練習もできない状態だ。種倉は、堀田とボランチを組む重要な選手。この日は左アウトサイドでの先発だったが、後半に戦略上の陣容変更でボランチに戻り、1-0からの追加点狙いで積極姿勢を見せた矢先だった。
  左サイドの主力プレーヤー・MF石川裕之は、2年前に肉離れを起こした左太ももに違和感を覚えながらのプレーを続けていたが、第4節・刈谷戦から欠場した。母校との対戦となった流経大戦もスタンド観戦した。「動けるけど、80%のプレーしかできないので」と、完治を目標に、しばらくは練習参加も控える。
  そして先週、順調にリハビリメニューをこなしてきたスーパーサブ・MF吉見が練習中に再び右ひざをひねった。吉見は昨夏、右ひざ前十字じん帯を痛めて専門医の手術を受けた。つらいリハビリも、根っからの明るい性格で乗り越えて来ていただけに残念だ。4月25日に内視鏡検査を受けるが、再び前十字じん帯の損傷ということになっていれば、復帰はさらに半年延びる。「(復帰まで)もう少しだったのに、すみません」と吉見。Jリーガー級のカノン砲シュートはまたも封印か。吉見のひざに走った激痛は、同時にチームに走った衝撃でもあった。軽傷であることを願うばかりだ。
  5月連休明けからは上位との対戦が続き、優勝を目指す栃木SCにとっては最初の正念場。しかし「選手層を考えれば大丈夫。誰が出ても戦える」(浅野ヘッドコーチ)。種倉の穴は新人の菊地が埋め、石川不在の左サイドは茅島がこなす。右サイドは、バックアップとしてDF遠藤が定着しつつあり、注目のMF北出(湘南ベルマーレ)もケガから復帰間近。「春先のケガでビビッていた自分がいた」という西川は、流経大戦の2点目を豪快なダイビングヘッドで決めて、迷いを払拭した。
各選手とも何らかの痛みや疲労を抱えながらのリーグ戦。今季はトレーナー陣も充実し、険しい長丁場を乗り切る態勢は整っている。好スタートに浮かれる間もなく、戦いはこれからが本番だ。ピッチの選手たちが激しくぶつかり合うたび、カメラのレンズ越しに「無理してもいいから、ケガすんなよ」とつぶやいている。
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by tsc2007 | 2006-04-19 21:09
No.123 西川初ゴール
f0136083_211053.jpg 前期第5節の流通経済大学戦で、トップ下の西川吉英(28)が今季初ゴールを決めた。矢板東高―中央大から大分トリニータ、湘南ベルマーレを経て、昨季途中に佐川印刷から移籍。栃木加入2試合目で初ゴールをあげた時の相手も流経大だった。佐川印刷時代を含め昨季8ゴール。今季は1トップを務める吉田賢太郎とともに得点王を狙う立場として開幕を迎えた。
  「春先(プレシーズン)にヒザや足首をケガし、調子が上がらないままリーグ戦が始まったんです。コンディションの上げ方を模索しながらのプレーでしたね」という西川は、開幕4試合のうち3試合に先発したが、いずれも途中交代。「守備のやり方の問題」と自覚しているが、前線の選手として「シュートも打っていなかったんで…。結果(ゴール)が出ていないのは申し訳ないと思っていました」。事実、交代出場した第3節も含めた4試合の公式記録のシュート数はたったの3本だった。
  西川は流経大戦の1週間ほど前、紅白戦の時に「思い切って当たりに行けるようになった」と、コンディションと意識の変化を感じた。だから、栃木市での今季5試合目は、密かに自分を試す大切なゲームだった。只木と2シャドーを組み、吉田とのポジションワークを繰り返した。13分の只木のパス、28分の菊地からの右クロスから狙ったシュートは惜しかった。35分には只木が入れた低い右CKをダイレクトボレー。わずか右に外したが、ジャストミートの鮮烈な弾道だった。さらに39分、44分と、得点を予感させるアタックを見せた。
  59分、右サイドに開いた吉田が只木につなぎ、只木がゴール正面の西川に素早くクロスボールを放り込んだ。西川は迷うことなくダイビング。額でとらえたボールが相手ゴールに吸い込まれていった。競った流経大DF石川が遅れて体の上にかぶさった。両手を広げて栃木サポーター集団の下に走る西川に、茅島や堀田が走り寄って祝福。タッチライン際で待つ高橋監督ともハイタッチした。「ああいう場面では、一歩前に出なくちゃ仕事ができません。フォワードですから」。MF登録の西川は試合後、はっきりと「フォワード」と言った。
  得点後も2回、決定的シーンがあった西川の公式シュート数は、吉田と同じ6本。3・6・1布陣の中で、実質的には吉田との2トップであることを象徴する数字でもある。今季初の90分間フル出場だったことも、西川にとってはゴールと同じくらいの大きな意味があっただろう。「もう、いっぱいいっぱいでしたよ」。精魂尽き果てた顔が「ケガでビビッていた自分があったですけど、これで行ける、と思いましたね」と吹っ切れた表情になった。その傍らで記者団に囲まれた吉田が「自分は絶対的1トップではないから、(西川を含めた)3トップの流動的動きの中でお互いに連動していきたい」と言った。
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by tsc2007 | 2006-04-19 12:09
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