2006年 05月 24日 ( 2 )
No.134 高橋監督の涙
f0136083_2132057.jpg 前期第11節のソニー仙台戦終了直後、栃木・高橋監督が、引き上げる審判団に向かって行った。「判定のことで聞きたいことがあった」からだが、剣幕を察知したスタッフが止めに入った。進もうと躍起になり、押し合いになり、激高してきて、最後は横山主将ら選手たちにガードされ、引き下がった。控え室に戻る監督は目を真っ赤に泣き腫らしていた。
  事の発端は前半14分のプレー。左サイドの中川が精度の高いアーリークロスをFW吉田に合わせた。これを吉田の前で仙台MF門馬がハンド。ホイッスルが鳴り、主審が門馬にイエローカードを示した。ハンドした位置はペナルティエリアの中。PK獲得! 誰もがそう思ったろうし、私は誰よりも近くて見やすい位置(カメラマンライン)にいたので「中だった」と主張できる。ところが、副審と相談した主審が指差したのはエリアのわずか外。吉田はもちろん、横山主将も只木も抗議したが、認められるはずもなかった。
  その6分後。仙台は、石原のパスに平間が抜け出しドリブル突進。栃木GK原と一対一になり、原はダッシュして両手でセービングに出た。これが平間の足をかっさらった反則と見られてイエローカード。今度はPKだ。もし原の反則なら「阻止」でレッドカードのはずだが、公式には「反スポーツ」と記録された。主審の頭に一瞬、数分前の判定のことがよぎったのだろうか。観客席のいい位置で見ていた知人は「石原からパスが出た時点で平間は戻りオフサイドだった。副審が見逃した。最後も平間のダイビング」と言った。近くで見ていた仙台側の関係者は「カードが出て当然」と言った。
  高橋監督は、最初のプレーはPKで、次のプレーは相手のシミュレーションだと見た。それを試合後、主審に確認したかったのだが、話もできなかった。「両チームにとって、どれだけ大事な試合だったことか。たくさん入ったお客さんやサポーター、県民の皆さんのために、我々は真剣勝負しているんです。それを審判は理解して笛を吹いてほしい。知識だけじゃなくて、必要な目と体力をきちんと身につけてほしい。判定がくつがえらないことは分かっているけど、僕の気持ちを分かってもらいたかったんです」。審判との接触を諦めて振り返ると、汗にまみれた選手たちが目に入った。みんな笑顔だった。最後まで頑張った選手たち。抑え切れなくなって、みるみる涙があふれてきた。
  かつてガリー・リネカーは、得点を取り消されたことに関して言った。「オフサイドじゃなかったけど、これからの試合ではオフサイドでもゴールと認められることがあるかもしれない。だから審判に文句を言ってはいけない」。ジーコはJリーグでプレーしていた時に言った。「私がレフェリーに抗議するのは、日本のレフェリーにも成長してもらわなければならないと考えているからだ」。
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by tsc2007 | 2006-05-24 21:03
No.133 仙台戦の勝利
f0136083_2135678.jpg 前期第11節・ソニー仙台戦は、五月晴れの栃木県グリーンスタジアムで、気温26度とちょっと暑い中での試合となった。両チームとも3バック。栃木の1トップ・2シャドーを3FWと見れば同じ3トップ。似たような布陣で相対した。栃木はボランチ菊地が前節のアルテ高崎戦で右足首をねんざしたため、追加登録されたばかりの久保田が代役を務めた。まだ22歳(翌日23歳になった)の久保田は、この日の大きな収穫だった。サイドへの早い展開、堀田との連係、前に上がった時の攻撃姿勢。試合後、高橋監督は「合格点」と言い、本人も「コミュニケーションを取っていけばもっと良くなりますよ」と自信をつかんだようだ。栃木のファーストシュートも久保田だった。
  14分、試合の行方を左右する判定があった。相手DFが栃木のクロスボールをハンドした。ペナルティエリアの中だったが、判定はエリア外。もしPKになって栃木が先制していたら、この試合は栃木の圧勝になっていたと思う。ところがその7分後、逆に栃木GK原が相手アタッカーを転ばせた反則でPKを取られ、先制を許した。終了間際の西川の決着ゴールまで、焦燥感募る攻防が続くこととなった。
  先制された栃木は、攻撃時にはDF山崎や遠藤が前線に上がってパワープレーを仕掛けた。32分、ゴール左に切れ込んだ山崎が中にグラウンダーのパスを入れ、「いいポジションを取れた。触るだけのボールだった」とFW佐野が右足で押し込んだ。4日前に松本、3日前には横山に赤ちゃんが生まれたので、みんなで揺りかごパフォーマンスだ。盛り上がるなあ…。後半も、風上の栃木は重心を前に置いた。48分の左CKでは、ゴール前で信じられないくらいフリー状態となった山崎がヘディングシュートを外した。53分、今度は右CKをショートで只木につないだ。只木がゴール前に放り込み、吉田がヘディング。ボールはバーにはねて、落ちてきたところを吉田がバイシクルシュートし、遠藤もシュートを狙い…、ボールに先にタッチしたのは佐野。右足の裏で押し込んだ。今度はサポーター直下に走って揺りかごをやった。雰囲気は最高潮。
  ところが60分、仙台は左から本多が切れ込んでファーにクロス。木村がフリーでヘディングシュートを決めて同点だ。まだ時間は30分あり、栃木のペース。高秀、毛利、片野を投入し、足が止まってきた仙台を揺さぶる。前の選手たちの運動量も落ちなかった。これが最後の最後に効いた。89分、高秀からのパスを吉田がGKと競り合った。こぼれたところに西川が猛然とダッシュ。体ごとゴールの中に滑り込んだ。ピッチもスタンドも歓喜の渦となった。
3ゴールとも泥臭かった。チームの出来も今ひとつだったが、それもどこかに吹っ飛んだ。ホーム戦はこれでいい。今は何よりも勝ち点3が必要なのだ。
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by tsc2007 | 2006-05-24 12:03
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