2006年 12月 20日 ( 1 )
No.194 2006年MVP
f0136083_22541572.jpg 当コラムが選定する2006年シーズンMVPは、GK原裕晃(はら・ひろあき)! リーグ戦34試合のうち33試合、天皇杯3試合にフル出場し、栃木のゴールマウスを守った。失点は35。これはDFとの連係も加味して評価しなければならない。数字に表れないファインセーブ、スーパーセーブはもっと加味されなければならない。その部分で、原は「守護神」の名にふさわしい活躍をシーズン通して見せた。PKを3本止めた。警告はたったの1回。
  今季を振り返った感想を聞くと「そうですねえ、取りこぼしが多かったですよね」とチームのことを言う。原にとってはいつも自分のことは二の次で、常にチームという枠組みを据えて物事を考えている。「そういう中でも、防がなければならない失点はありました」と記憶の糸をたぐり寄せようとして「ただ、失点シーンってあまり覚えていないんですよね」。フィールドプレーヤーたちは事細かにワンシーンを説明したりするが、原の場合は「一瞬一瞬の出来事だから。攻めてくる相手と、対抗するこちらの守備陣との位置関係とか、刻一刻と場面が変わってるわけです。瞬間瞬間にいろんなことを考えているので、よく覚えていないことが多いです」。
  それでも今年は、忘れられない思い出ができた。「天皇杯の東京ヴェルディ戦。味の素スタジアムの大きな屋根に栃木のサポーターたちの応援が反響して、ものすごかった。今年一番感動しました」「最もこわかったのは平本。交代投入で入ってきて、友だちの山崎に“本気で行くよ”と言ったそうです。ホント、恐怖を感じたなぁ」。勝利した感激の輪の中に、実は原の姿はない。前半シウバに蹴られた脚が腫れていて、ロッカールームのドクターの元に一目散だったから。次の清水エスパルス戦。味方の4ゴールには「鳥肌が立ったですよ。時間を知らなかったから(時計は原の背後にあった)追いつけると本気で思ってました」。結果は6失点。「レベルの差はあったけど、自分も力を出し切れなかった」と、帰りの新幹線の中で、平静を装いながらもむなしさを感じていた。
  いいことがあっても悪いことがあっても動じない。スーパーセーブの試合後、記者団に囲まれても「GKが目立ってはいけないんです」と、記事ネタになるようなせりふは吐かない。常に冷静。来年はいよいよJ2昇格を目指すシーズン。「トレーニング環境のことは理由にしたくない。どこまでハングリーになれるかだと思んです」と決意をみなぎらせ「相手に1本のシュートも打たせない試合が理想。それは僕だけではできないこと。DFラインやボランチと力を合わせてやっていきます」と持論を語った。さらに「相手がどこでも一試合一試合、自分の持っている力を全部出し切る。この気持ちはいつも変わりません」ときっぱり。「実はですね、闘志や感情をむき出しにしたいタイプなんです。でも昨シーズンのことがあるんで抑えているんです」。5試合出場停止は、今となってはいい薬だった。
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by tsc2007 | 2006-12-20 22:54
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