2007年 06月 25日 ( 1 )
No.223 ロスタイム執念の同点ゴール
f0136083_19374460.jpg  もう前期終了だ。5月連休のころから胃が痛くなるような試合が続いていたので、あっという間の前期17試合だった。16節終了後に高橋監督が辞任し、この佐川印刷戦は浅野ヘッドコーチが監督代行を務めた。4・4・2の2トップは上野と山下。浅野ヘッドは「サイド攻撃を徹底していこう」と、右・久保田と左・石川の両サイドハーフにも高い位置取りを指示していた。ポゼッションは佐川の方が上だったが、栃木は出足よくボールを奪ってチャンスを狙った。18分、左CKがこぼれたところを谷池がゴール前に放り込んだ。上野が正面フリーでいた。ヘッドで合わせて先制。J1広島から移籍後3試合目で初ゴールだ。小林や堀田に抱きつかれた上野が笑顔を爆発させる。「前節にグリーンスタジアムでできて落ち着きましたね。3試合目でJFLがだいぶ分かってきたし、フィットしていける感じ」と感触良好だ。
  ところが佐川の中盤、特に濱岡と大槻の小柄な二人が危険だった。浅野ヘッドは「ゾーンでブロックをつくり、出てきたところを抑える考え」だった。マンツーマンの必要はないが、彼らの自由をもう少し邪魔する工夫はほしかった。その濱岡のキラーパスから失点した。30分、栃木はボールがあった右寄りにかたよってしまった。その真ん中あたりから濱岡が右前方へスルーパス。オーバーラップの右サイドバック村尾にぴったり合い、完全にフリーで流し込まれてしまった。このあたりのピッチ内の状態を上野は「勝ちに見放されているからか、プレッシャーで体が動かなくなってしまった」と見ていた。確かに佐川の躍動感についていくのが精一杯だった。
  その流れが後半に入っても続き、ほとんど可能性が感じられないピッチとなってしまった。56分、右サイドから崩されてクロスボールから失点。ここで間髪を入れずに浅野ヘッドが手を打った。57分、山下を引っ込めて横山聡を入れたのだ。山下の途中交代は初めて。「優作のポストプレーと高さによるセカンドボールを相手の背後で取りに行く作戦」だった。さらに69分、吉田賢太郎と高秀を入れて3・6・1にした。勝てていない時に採用するプラン。ロスタイムにその結果が出た。ロングパスを受けた右サイドの高秀が中央の横山聡にクサビを入れ、上野が粘って走りこんだ賢太郎につなぎ、賢太郎は「どんな形か覚えていないが押し込むだけだった」と、執念を体で表現した同点ゴール!
  スタッフも選手も「高橋監督の集大成」と臨んだ一戦。何としても白星で終わりたかった。「高(たかし)ありがとう」とアンダーシャツにマジックで書いていた選手もいた。在籍が長かったりアマチュア登録の選手たちは目を真っ赤に泣き腫らしていた。高橋前監督と二人三脚だった浅野ヘッドは、とりわけ悔しかったろう。「いろんな思いがあったので、この一戦は絶対に勝ちたかった。高橋監督が掲げてきたスピーディーでアグレッシブなサッカーで、引き分けにはできましたけど…。重かった試合で、余計に空回りしてしまった。選手たちが今日学んだことを次に生かしてくれればと思います」。成績低迷と監督交代で揺れる中、この一試合にかけた浅野ヘッドは敗軍の将のように力なく語った。
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by tsc2007 | 2007-06-25 19:37
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