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No.176 ロッソに勝った
f0136083_1726434.jpg 後期第10節のロッソ熊本戦は秋晴れに恵まれたが、気温31度の真夏日という選手には酷なコンディションだった。栃木はヴェルディ戦(天皇杯)とホンダ戦に続いて4バックを採った。ホンダ戦イエロー2枚の吉田賢太郎が出場停止で1トップは佐野、教員の只木と種倉が学校催事のため帯同できず、5試合ぶりの久保田が右MFで先発した。ロッソは福嶋と高橋の元Jリーガーの2トップ。アルテから移籍した栃木の天敵・斉藤紀由、その後ろの右サイドバック・市村の二人による攻撃も脅威だったが、前期の足利で栃木を奈落の底に突き落とした10番・森が故障欠場だったことは栃木にとって幸いだった。
  前半はホームのロッソが押した。長身FW福嶋がポスト役になり、高橋や熊谷、斉藤らがワンタッチパスなどで素早く攻め、両サイドバックが何度もオーバーラップしてきた。栃木が肝を冷やすシーンが続いたが「ゾーンを消して、最後のところでしっかり守る」(センターバックの横山主将)という約束事を徹底し、きわどく踏みとどまった。前半に失点しなかったことが試合のポイントだった。半面、栃木は決定機を作れないままハーフタイムを迎えた。
  後半、栃木は高秀に代えて永井を投入した。茅島という切り札もあったが、高橋監督は永井のパワーを伴ったスピードに賭けた。永井は「縦に抜けて中にチャンスを作ることと、自分でも決めて来いと言われていた」と、猪突猛進の勢い。相手DFの寄せをモノともせずに何度も強引な突破を試みた。ほとんどは止められたが、前半の高秀に労力を使っていたロッソ右サイドは徐々に混乱してきた。前線や右の久保田、ボランチの堀田や山田のスキあらばゴールを狙う意識によってFKやCKが増え、試合のリズムは完全に栃木のものとなった。66分の佐野、69分の久保田とゴールを正面にしたシュートが続き、78分、栃木に待望のゴールが生まれた。左サイドで永井が突破の仕草を見せながら中寄りにいた西川にパス。ロッソDF陣は永井を気にして西川へのプレスが遅れた。西川はペナルティエリアの中に入ったあたりで強烈な右足シュート。ロッソGK飯倉が弾いたこぼれ球に久保田がスライディングで詰めて押し込んだ。静まり返るスタジアム。ベンチの高橋監督は選手以上に喜びを全身で表した。
  この1点で試合は決まった。栃木守備陣が安定していたからだ。後半はロッソ攻撃陣にほとんど何もやらせなかった。守備が堅いからポゼッションが高まり、攻撃機会も多くなって、ついにはゴールにつながった。4バックだが、サイドバックのオーバーラップを封印して守備を徹底させるアウェー戦術が功を奏した。ロッソの池谷監督は「ボールを動かせず、修正のしようがなかった」とがっくり。栃木・高橋監督は「集中力と走り切ることをコンセプトに、絶対に勝つという強い気持ちで臨んだ」とロッソ戦勝利を振り返った。
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by tsc2007 | 2006-10-23 17:25
No.175 ホンダに敗れる
f0136083_17265170.jpg 後期第9節のアウェーのホンダ戦は、今季JFLのリーグ戦で初めて4バックを採用した。西川がFW登録なのでヴェルディ戦でも各メディアは4・4・2としていたが、私は吉田賢太郎の1トップに見えるので4・5・1と書いている。高橋監督は「4・5・1だが、4・4・2の変形でもある」と言っている。試合後のホンダ・吉澤監督の話が面白かった。「栃木は天皇杯(ヴェルディ戦)でやった4バックで戦ってくれたのでウチとしては助かった。栃木にはサイドアタッカーに脚の速い選手がいて、ウチの並びだと突かれてサイドを取られてしまうが、きょうの並びなら脚の速いのはある程度ボカせるんですよ」。私はホンダのフォーメーションがあまり頭に入っていないのでよく分からないのだが、前期に3バックの栃木にやられたことを踏まえての話だったのだろう。
  前半は総じてホンダのペース。栃木はよくボールを奪取するが、その後のつなぎがうまく行かない。対するホンダはボールをよく動かし、新田や鈴木弘大らが決定的シュートを放った。栃木の得点チャンスが訪れないまま後半へ。栃木は西川に代えて只木を投入し右寄りの攻撃態勢を敷くことで、左サイドの高秀を生かそうとした。しかし、ホンダは返り討ちを狙っていたかのように、高秀と対面する右サイドバックの堀切がオーバーラップを仕掛けてきた。58分には左の引き気味に茅島を入れて高秀を援護し、右サイドの種倉はボランチに入った。「前半、サイドからはほとんど何もできないで終わった」(高橋監督)ことから、いくつか修正の手を打ったわけだ。
ヴェルディに勝った自信を胸に抱いて臨んだ栃木の選手たちは、このあたりでゴール意識が急速に高まったように見えた。59分に左サイドバックの桶田に食らったシュートは危険で、守備の集中を再確認すべきだった。61分のマイボールで、センターバックの山崎が中央をオーバーラップし、吉田が右サイドで倒されてFKを得た。只木が素早くゴール前に放り込んだがホンダGK川口がキャッチし前線へ。ここから新田がシュート。GK原が止めたが正面にこぼれ、詰めてきた新田が再びシュートして今度はネットを揺らした。この後、吉田のボレーは上、山崎のヘッドはクロスバー。76分には只木が桶田を倒したPKで2失点目。直後のチャンスはポストを直撃。栃木に不運、ホンダに有利に時間は流れ、結局0-2で終了した。
高橋監督は1失点目を「GKだってパーフェクトではないから、何が起きても大丈夫なように周りが集中しないと。あのリバウンドをね…」と悔やんだ。試合内容はヴェルディ戦より拮抗していたので、この失点が痛かった。栃木の4バックの課題は、左サイドなら高秀を左サイドバックの高野、右サイドなら種倉を右サイドバックの遠藤が追い越して攻撃参加する形がなかったこと。このオーバーラップがなければ、4バックの意味が薄れる。
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by tsc2007 | 2006-10-19 17:26
No.174 ヴェルディ戦4
f0136083_17273357.jpg 後半、私は栃木陣内タッチラインの外(カメラマンライン)でカメラを構えていた。栃木のディフェンスラインが横から良く見えた。いつも3人のところ、4人が並んで上下動を繰り返していた。ヴェルディの攻撃の時にはボランチの堀田や山田、種倉や永井がラインに入って厚みをもたせた。ヴェルディアタッカー陣のハイレベルな組み立てと、迎え撃つ栃木守備陣の必死の守り。肝を冷やしながらも、栃木イレブンの集中した顔を見るのはとても楽しかった。
  ラインを統率したセンターバックの横山主将は、ヴェルディの強力攻撃陣を0点に抑えたことが誰よりもうれしかっただろう。「試合までに時間があり、4バックへの共通理解ができていた。ラインを下げてパス回しさせて最後の所で頑張る(止める)というやり方だった。それを集中してできた」と振り返った。「1-0という最高の形でJのチームに勝てたことは自信になった。中断していたJFLでも、次のホンダ戦に向けて自分たちのオプションが増えた」と、今後につながる貴重な一戦となった。同じくストッパーを務め、試合終了後には一番先に感激の涙を流した山崎は「4バックに不安はあったが、周りに経験豊富な選手が多いので、うまくはまったかな、という感じ」と、終盤の猛攻を防いだ感触を心に焼き付けているようだった。
  堀田が86分に脚をつらせて途中交代したことは、いかに激戦だったかを物語る。昨シーズンから全試合フル出場の鉄人なのだ。「ホント、きつかったぁ。ボールは動くし相手も動くし、JFLとは違う回され方。脚がつったのは初めて。キーマンのマルクスを意識した。運動量があるわけではないがフリーになるのがうまかった。大橋もうまくつかまえられなかったが、そんなに仕事をさせなかった」と手応えは十分だった。高秀は胸を張っていい。「ヴェルディは格上だから、僕たちは挑戦者だった。ビデオでDFの動きを見て、縦に仕掛けてもイケるな、と感じていた。自分のスピードは通用したと思う。えっ?高橋監督が50 メートル5秒7と言ったんですか? 本当は5秒8なんですけど…」。
  決勝点を挙げてヒーローになったJ1経験者の吉田賢太郎は「CKは数少ないチャンスなので大切にしようと練習を積んできた。あそこでいいにおいがしていて、こぼれ球を押し込むだけだった。向こうはすごいシュートがポストに当たったりして、サッカーってこういうものなのかな、と思った。相手が格上でも、サッカーにおいてはやれるんだ、と。この勝利で栃木の人たちが(栃木SCに)興味を持ってくれればいいなと思います」と笑顔で語った。そして、ヴェルディに1点も与えなかったGK原は「風も難しく苦しかったけど、みんな伸び伸びとゲームを楽しめた。チームは一丸となっていた。ウチが力を出し切れば、どんな相手とも勝負できるんですよね」と、実感をこめて言った。
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by tsc2007 | 2006-10-13 17:27
No.173 ヴェルディ戦3
f0136083_17281796.jpg 試合終了後10分ほどして監督の記者会見が始まった。先に栃木SCの高橋監督が席に着いた。「Jのヴェルディに1-0で勝てて、正直うれしい。危ない場面はあったが、全員で良く守って1点をキープした。選手たちは最後まで集中を切らさずに頑張った」と話す目元には、まだ感涙の跡があった。「相手は1ランクも2ランクも上。しっかりスペースを埋めて、いい守備からいい攻撃へと考えた」と、4バックで臨んだ理由を語った。4バックは、サイドバックが攻撃参加すれば攻撃的だが、上がらなければ3バックよりも守備的だ。これにボランチを2枚。右サイドの種倉がフォローに入って3ボランチになることもあった。「ボールを奪ったら時間をかけずに、50メートル5秒7の高秀を起点にしてフィニッシュにもっていく作戦だった。攻撃はスピード勝負することを徹底した」。この作戦は前半からうまく行った。高秀は守備もこなしながら、マイボールになった時には、約束通り左サイドを縦に走り、海本や戸川との一対一を仕掛けた。ヴェルディ守備陣には厄介な存在だったろう。
  1点リードしてから、交代選手として永井と茅島という攻撃的な駒を投入した意図について質問され、高橋監督は「1点だと厳しいと思った。もう1点狙いで、永井の右ドリブル突破に期待した」と答えた。これには補足が必要だ。高橋監督はよく、リードした展開の中で攻撃的な選手を投入する。指示は「守り7割」。守備をカバーしながらカウンター攻撃する。攻撃は最大の防御なり。永井も茅島も、1点を追って前に出てくるサイドバックへの抑止効果になった。
  Jリーグ準加盟が見送られている現段階での大金星。「準加盟を取るためにはいろいろな条件をそろえなければならないが、試合に勝って十分に力があるんだというアピールをしたかった。現場にできるのはそれだけだ。ヴェルディにしっかり対応できた。コンディションを良くして、今回のようにトレーニングを積んでいけば、十分にJと戦えると確信している」。高橋監督は最後に力のこもった声でそう言ってインタビューを終えた。
  ラモス監督は「前半はくだらないミスの連チャン。監督としてがっかりだ。前半で負けたと思った」と、プレスの強くない中で格上の試合運びができなかったことを嘆いた。「後半は満足できるが、試合は90分間なんですよ」。栃木の印象を聞かれて、モチベーション(士気)の高さを指摘したことは第171回コラムに書いた通り。「最後の20分、我々の攻撃を守り切ったのはなかなか。カウンターの時に後ろから3人4人と出てくるし、1-0になってからも攻めてきたのは大したものだ。ボランチが前に出ないで落ち着いていたし、コンパクトで、監督がやろうとしたことをやっていた。来年のJFLでは非常に期待できるんじゃないか。いいチームですよ」。
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by tsc2007 | 2006-10-11 17:27
No.172 ヴェルディ戦2
f0136083_1729654.jpg 10月8日の東京・味の素スタジアムには強風が舞っていた。栃木SCは4バックで臨んだ。ヴェルディは3バックの栃木を分析していたはずだが、彼らにとって栃木のシステムはあまり重要ではなかったろう。4・4・2のヴェルディは「ベストメンバーで臨んだ。ゼ・ルイスだけ休ませたけど」(ラモス監督)と、私が最も危険だと感じていたゼ・ルイスがサブにも入っていなかったのは予想外だった。ヴェルディの速いパスワークに、彼の正確なロングフィードが加わって、栃木は手玉に取られると思っていたから。
  栃木の4バックは、センターバックが横山主将と山崎、サイドバックは右に遠藤、左に高野。ドイスボランチは堀田と山田。右サイドに種倉、左に高秀が開き、前線は吉田と西川。西川は下がり目なので4・5・1布陣と言えるが、4・4・2にも見えた。格上相手に定石通り守備を固めた。ヴェルディがボールポゼッションして左右や中央から仕掛け、栃木はカウンター狙い。3分にマルクスからシウバへのホットラインがつながったが高野がクリアし、4分に吉田賢太郎がミドルシュートを放って、栃木の立ち上がりは悪くなかった。左サイドでスピード勝負する高秀、柔軟なドリブルで相手守備陣をほんろうする吉田。決定的シーンは双方同じくらいあった。0-0で前半終了。栃木のペースと言える展開だ。
  後半はまず、左から吉田が入れたクロスボールを西川がボレーで合わせたがGK水原が弾いた。そして60分の右CK。栃木サポーターの目の前でドラマは起こった。山田がニアを狙って蹴ったボールを西川が競り勝ってゴール前に流した。弾んだボールに向けてファーから吉田がダッシュ。DFとGKの間にうまく入ってヘッドで押し込んだ。先制だ。CKからの得点を入念に練習した結果が出た。吉田がゴール裏を回ってジャンプしながら黄色く染まったサポーター席の前に走り、西川、高秀、堀田が抱きつく。CKキッカーの山田や山崎、種倉もかけ寄る。黄色い花が風の中で乱舞しているようだった。ここからの30分間は、栃木SCがかつて経験したことのないような猛攻にさらされた。ロスタイム3分を含めて終盤の10~15分間はヴェルディの嵐が吹き荒れた。平本やマルクスが決定的シュートを連発したが、枠を外したりバーに当てたり原が弾いたりした。
堤防は持ちこたえた。終了のホイッスルの瞬間、横山はガッツポーズのままベンチ前の高橋監督めがけてまっしぐらに走った。抱擁の輪が重なった。とりわけ「ヴェルディを0点に抑える」という目標を達成したDF陣はうれしかっただろう。国士舘大時代にDFとして読売クラブのラモスと対戦したことのある高橋監督は、監督同士の対戦を終えて、二十数年ぶりに握手をかわした。
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by tsc2007 | 2006-10-10 17:28
No.171 ヴェルディ戦1
f0136083_17295057.jpg 第86回天皇杯は栃木SCにとって歴史的な大会となった。3回戦に進出した栃木は、J2・東京ヴェルディ1969と、東京都調布市の味の素スタジアムで対戦。60分に右CKのこぼれ球をエース吉田賢太郎が押し込んだ1点を守り切って勝った。「カップ戦は何が起きても不思議ではない」というサッカーの格言を地で行く結果。いや、むしろ「栃木SCがヴェルディに勝っても不思議ではない」と言い換えても言い過ぎではない。0-0で前半を終えた時、栃木勝利のにおいを嗅ぎ取ったファンは少なくなかったと思う。
「入念な準備と勝利への強い意志」。これが勝因だ。栃木は9月23日の2回戦で埼玉県代表の尚美学園大に勝ってから3回戦まで、2週間の時間があった。その中間の週末には宇都宮市内で1泊2日のミニ合宿も非公開で実施。いつもの3バックではなく、4バックのトレーニングをやった。JFLリーグ戦の途中ではフォーメーションを動かしずらいが、カップ戦は別だ。しかも相手はヴェルディ。JFLで3バックの両脇を突かれて対応できても、ヴェルディには通用しないだろう。「海本や石川のサイドバックにオーバーラップされてフリーでクロスボールを入れられるのは危険」と高橋監督は迷わず4バックを考えた。実は2回戦の最後の10分間を4バックで戦った。直接の理由は、交代投入された186センチの長身FW対策だったが、監督の頭の中にはヴェルディ戦の4バックに向けてDF陣に実戦感覚に触れさせる意図があったはずだ。試合前日には、人工芝の鹿沼市自然の森総合運動公園でセットプレー(CK)の確認をしてから、前泊地の八王子に向かった。
3・6・1から4・5・1(あるいは4・4・2)に布陣変更しても、試合中の選手たちに迷いはなかった。入念な準備のたまものだ。加えて、勝利への強い意志が栃木サッカーの90分間を貫いていた。試合後のラモス監督は「栃木のモチベーションは高かった。失うものは何もないという気持ちで戦ってくるチームが一番こわいんです。栃木は90分間、必死で戦った。見事です。Jリーグに勝ちたい夢を持って、100%の力を出し切った」と、栃木のモチベーション(士気)がヴェルディの力を上回ったことを認めた。決勝点の元J1戦士・吉田も同じことを指摘して「向こうはやりにくかったと思います」と言った。
両チームとも試合を分析して修正点や勝因・敗因を検討するのだろうが、私なりに一言で表現すれば「準備と意志」によって栃木にもたらされた勝利だったと思う。栃木SCにとって重要な歴史が刻まれた2006年10月8日。その戦いぶりは次回コラムに。
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by tsc2007 | 2006-10-09 17:29
No.170 ヴェルディ戦へ
f0136083_17304514.jpg 天皇杯3回戦(10月8日)で東京ヴェルディ1969と対戦する栃木SCの先週末の練習は非公開ということだったので、国立競技場のJ2第43節ヴェルディ対ヴィッセル神戸を観戦に行った。ヴェルディは4・4・2のフォーメーション。GK高木、4バックは左から石川、萩村、戸川、海本、2ボランチはゼ・ルイスと菅原(金澤が出場停止)、サイドは右に大橋、左にマルクスが開き、広山とシウバの2トップ。序盤、ヴェルディはパスミスを繰り返し、ドタバタ劇のようなサッカーだった。5分には萩村が横パスをインターセプトされて朴に決定的シュートを食らった。7分には神戸の左サイド攻撃からクロスボールの処理にもたついているうちに田中英雄に押し込まれて失点した。ここまでなら、栃木SCの戦いも有利にシミュレーションできる。
しかし、10分ごろからのヴェルディは違った。リズムをつかみ始め、結局は今季最多の5ゴールを決めた。得点者は広山、マルクス、戸川、シウバ、ゼ・ルイス。広山は左からのシウバのクロスを右足ダイレクトで合わせ、マルクスはシュートのGKはね返りをゴールライン外に倒れ込みながら右足でファーサイドネットに放り込んだ。戸川は大橋の右CKから味方をなぎ倒す勢いで強烈なヘディングシュート。シウバは正面のDF北本の壁を右足インフロントで巻いてゴール右隅に決めた。ゼ・ルイスは神戸の裏を突くカウンターから平本のパスを浮かせてDFをかわした。どのシュートも「さすがはヴェルディ!」。
ボランチのゼ・ルイスが左右の高い位置に合わせるロングフィードが再三、攻撃の起点になっていた。前の方では大橋が左右にうまく移動しながらスルーパスやワンタッチパスで決定機につなげていた。マルクスは一枚うわ手だし、広山やシウバに好パスが渡ったら危険極まりない。試合開始時点で神戸は優勝争いの主役の2位、ヴェルディはJ1復帰が絶望的な7位だったが、結果は順位とは裏腹の5-2の圧勝。今季、神戸に3連敗して、意地もあっただろう。しかし、この数字を見て「ヴェルディはやっぱり強い。栃木は勝てっこない」と諦めるのは早い。あくまでもJ2という土俵の上でのことだからだ。一発勝負の天皇杯は何が起こっても不思議ではない。栃木には、3回戦まで勝ち上がった実力と勢いと自信があるのだ。
会場の東京・味の素スタジアムには、オープニングゲームも含めて何度足を運んだことだろう。ヴェルディの応援で声を枯らしたスタジアムで、栃木SCがそのヴェルディに公式戦の真剣勝負を挑むことなど想像もしなかった。数年前、ヴェルディ対マリノスのマッチコミッサリーを務めた栃木SCフロントの石崎忠利さんとスタジアム内でばったり会って「栃木SCもこんな雰囲気の中でやらせたいね」「ぜひ実現させましょうよ」などと話したことを思い出した。
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by tsc2007 | 2006-10-04 17:30
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