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No.201 硬くなり過ぎている
f0136083_20555532.jpg  引き分けに終わったジェフリザーブズ戦では、監督も選手も一様に「試合の入り方が悪かった」という表現で反省していた。のっけから押し込まれて、開始4分には失点したことを考えればもっともなのだが、私はむしろジェフの戦い方に面食らった。彼らにはアウェーの意識がなかった。私のようなオジサンの頭にしみついている「アウェー戦の入り方」を無視した入り方だった。Jリーグ経験者の多い栃木にとっては「何だ、こいつらは!」という感覚だったと思う。ジェフにとってはアウェーで勝ち点1を取ったのだから、この試合に限って言えば、してやったりだったろう。いろんな相手がいて、常識や定石が通じないこともあり、それでもしっかり対応しなければならないと栃木が肝に銘じることができたとすれば、失った勝ち点2は無駄にはならない。
  相手がどうのと言うより、今は自分たちのことを見つめる時だ。私には、J2昇格請負人としてJリーグからやってきた選手たちが力み過ぎているように感じる。山下は開幕ゴールしたし、さすがというシュートが2試合で3~4本はあったが、まだ実力の半分だろう。横山聡も小林も動きはいいが、かみ合わせがうまくいっていない。DFラインの谷池は、地をはうようなJ級のロングパスを公式戦ではまだ見せていない。以前から在籍の元Jリーガー吉田賢太郎や西川のパフォーマンスがいいだけに、新戦力への期待は余計にふくらむ。
  アグレッシブな横山聡はいつ初ゴールが生まれても不思議でない。ジェフ戦27分のDFライン裏に抜けたシーン。ゴール左からシュート態勢の横山にDFが追いつきそうになったので、GKは基本通りニアサイドを防ぎに入った。横山はファー側を選択し左足シュート。普通ならほぼ100%決まるところだったが、ニアに寄るのが遅れたGKの残り足に引っかかってしまった。JレベルのGKならニアポストに触るくらいの位置に素早くポジショニングするので、逆にファー側のシュートは入っていた可能性が高い。今回の掲載写真は、その瞬間をとらえたものだが、GKのナイスセーブというより、GKの「ラッキーな残り足」と見る。結果は出ていないが、紙一重の部分もあるのだ。横山はジェフ戦終了後、「自分がレギュラーだなんて思っていません。毎試合毎試合がレギュラー争い。それはチームとしていいことですよ」と言った。
  優勝。J2昇格。注目。責任。見えないプレッシャーがのしかかっているのだろうか。高橋監督は「山下や横山は点を取りたい気持ちが強過ぎる」と心配している。確かに硬くなり過ぎている。「勝ちにこだわれ」と言いながら矛盾して悪いけど、プロ選手たちにはもっと楽しそうにサッカーをやってほしいと感じている。硬さが取れた時、彼らの本領がピッチで花開くはずだし、アマ選手を引っ張ると思う。開幕戦よりもジェフ戦の方が形はできていた。季節は春本番。栃木SCのサッカーもそろそろ本番といきたい。
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by tsc2007 | 2007-03-29 20:56
No.200 ジェフ戦引き分け
f0136083_1539788.jpg  前期第3節はホームの栃木県グリーンスタジアムでジェフリザーブズと対戦し、1-1で引き分けた。早くも勝ち点2を失ったが、長丁場のリーグ戦をオペラに例えれば、開幕8日間での3試合は序曲のようなもの。プロ・アマ混合楽団にとってはテンポが速過ぎた。リズムやハーモニーが合わなかった部分は修正して、これから第1幕が開くと思って、週末の鳥取戦に備えてほしい。
  試合は序盤、ジェフが「猛烈な勢いで攻め込んできた」(高橋監督)。作新学院大出身のDF入江利和が左サイドバックで初先発し、ジェフの強力な左サイド攻撃の起点になった。4分、入江のクロスに蓮沼が頭で合わせてジェフが先制した。越後監督は「地元なので期するところがあって、いい仕事をしてくれた」と入江の奮闘をたたえた。入江は町田コーチの教え子。昨年のプレシーズンに見た時、キレがある選手だとは思っていたが、栃木に入団してもおかしくなかったので、キツ~い恩返しをしてくれた。
  栃木は12分に堀田の右FKを照井がヘディングシュート。GKを越えてゴールインするかに見えたが、ゴールポストわずか右をかすめてアウトに去った。ワンタッチかツータッチで素早くボールを回すジェフに翻弄されていた栃木は、16分に山下のキープから小林がシュートして、やっとペースをつかんだ。小林、横山、久保田と、クロスバー直撃を含む連続シュート。35分過ぎごろからは、右・小林、左・石川の両サイドがポジションチェンジ。守備能力のある石川が相手左サイド攻撃をケアし、自軍左サイドで小林が攻撃の起点となった。石川は自陣ゴールライン付近まで下がって守り、小林は38分に山下へのクロスボールを入れた。このへんまでに同点にしてほしかった。
  後半も栃木が主導権を握った。53分には中盤でボールを持った山下がドリブルで突進し、「ディフェンダーが下がる一方だったしGKも見えたので打った」とシュートの見せ場を作った。61分には石川に代えて吉見を左に起用。直後に吉見が相手DFにボールを当ててCKを獲得。その流れで再びCKの場面。右から堀田がゴール正面の照井に合わせると、照井は「いいボールだったし相手DFが外れた。練習通り」とヘディングシュートを決めて同点だ。サポーターたちのテンションは最高潮。66分の久保田のFKはクロスバーをかすめ、69分の山下の右クロスはわずかに横山に合わず、84分の久保田クロス・吉見ヘッドも決まらず、1-1のままタイムアップ。
  「勝ち切れなかった。引き分けは負けに等しい」という高橋監督は、DFやボランチが下がり過ぎる欠点を指摘。北出主将も「DFラインが下がってしまうのがこの3試合の課題」と言った。前節の刈谷戦ではラインを低目に保って成功したように見えたが、ジェフ戦はピッチ内ではどんな感触だったのだろう。勝ち点7となり、順位は首位から4位に後退した。
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by tsc2007 | 2007-03-26 15:43
No.199 やっぱり賢太郎
f0136083_10314282.jpg  前期第2節は愛知県刈谷市でFC刈谷と対戦した。栃木はトップの吉田賢太郎と1・5列目の西川の前線コンビ。GK原、4バックは開幕戦と同じ右から北出、照井、谷池、高野、2ボランチは堀田と山田。サイドは右に久保田、左に茅島の4・5・1。刈谷は3・4・3で、ボランチ浮氣を起点に攻撃的に組み立ててきた。アウェーの栃木は20分までは守勢に回っていたが、久保田がミドルで初シュートを放ってから盛り返した。茅島、久保田、西川とたて続けにゴールを狙い、25分には吉田が右寄りからゴール左隅への強烈な右足シュート。刈谷GK来栖が手ではじいたこぼれ球に山田と茅島が詰め、一瞬速く山田が左足でプッシュし先制した。山田は栃木移籍後の初ゴール。その後も北出の豪快なミドルや西川の振り向きざまのループシュートがあった。
後半は1点リードされたホームの刈谷がギアを上げた。51分までに3本のきわどいシュートを浴びたが、54分に堀田が左の西川にロングパスを通し、西川はゴール正面フリーの吉田にパス。吉田は「芝生も良かったし、インステップで転がすだけだった」と左足でゴール左に決めた。さらに篠川や伊藤の決定的シュートを食らったが、GK原の好判断もあって難を逃れた。
開幕戦に次ぐ無失点で今季のアウェー初戦を勝利し2連勝。FC岐阜と並んで早くもトップに立った。この試合の注目は、開幕戦に出番がなかった吉田、西川、山田のプロ契約3選手。12539人もの大観衆の前でプレーしたかった気持ちは3人とも同じだったろう。トレードマークの長髪をばっさり切って「ニュー賢ちゃん」(自分で言っている)をお披露目したかった賢太郎は、顔には出さなかったが悔しくて仕方がなかった。なぜなら、彼はあのカズとも京都で2トップを組んだ経歴のあるフォワードだからだ。「一度、戦いに敗れ、また戦いが始まって、チャンスが来た時だった…」。Jから落ちて、再びJに上がる時を迎えた矢先、開幕先発を逃した悔しさ。しかしプロとしてのプライドはかえって燃え上がった。西川と山田の3人で「出る時には(開幕組に)プレッシャーをかけるようなプレーをしよう」と誓い合った。
先制点も追加点もこの3選手でもたらした。試合後、吉田は「ヤマさんの得点、超うれしかった。彼の気持ちが出てました。ノリさんのパス、タイミングもばっちりでした。この結果を見て、残っている人たち(開幕先発組)がヤバいなぁと思ってくれれば、チームはさらに強くなるはず」と確信を込めた。
ファンは、山下や横山、小林らが出場した開幕戦メンバーを1軍、Aチーム、レギュラー組と見ているのだろうか。私は刈谷戦メンバーが2軍、Bチーム、控え組とは見ていない。「どの選手が出ても戦える」と高橋監督が言うように、登録37選手によって最高の組み合わせが出来た時、栃木SCは真にJリーグ挑戦者となるのだと思う。4バックは「連係が大事なのでアクシデントがない限り代えない」(高橋監督)と中2日でも2戦連続で同じメンバーだったが、まだ出ていない山崎や横山寛真、遠藤ら優秀な選手が虎視眈々と出場を狙っている。リーグ戦と同様、チーム内の戦いも始まったばかりなのだ。
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by tsc2007 | 2007-03-23 10:31
No.198 山下の開幕ゴール
f0136083_12485320.jpg  今年最初の公式戦だった琉球戦は見るべきところがたくさんあった。一番の注目はFW山下。元日本代表が栃木でどんなプレーを見せるのか、プレシーズン無得点だった山下がいつ得点するのか、開幕戦ゴールがあるのか、サポーターの間でも話題沸騰だったようだ。琉球戦で山下が放ったシュート数は、公式記録では6本。2分の初シュートはフワリと浮いてしまい、26分のPKは左ポスト直撃で失敗。35分には低い弾道をGKがはじいたところに反応したがはね返され、横山が蹴り込んだこぼれ球が足元に来て、右足でとっさに押し込むとボールはコロコロとゴール右隅に転がり込んだ。85分に吉見のパスを受けて素早く放ったシュートは、これぞプロのパフォーマンスだった。この中の「どこに触ったか覚えていない」という、最も泥臭い形のシュートが決勝ゴールになった。これがサッカーの面白いところだ。
  試合後、山下は「PKは思いっ切り蹴りました。外したので、自分がゴールを決めないとなあ、と思いながらプレーしました。前半のうちに取れたのが大きかったですね」と振り返った。前日には監督からも「まだ決めてないんだからな」と初ゴールを促すプレッシャーがかかっていた。決めた瞬間、山下はメーンスタンドに向かって両手を大きく広げ、青空をあおぐようにして喜びを爆発させた。アシストの横山が、続いて小林、久保田、堀田、石川…チームメートが抱きついて、歓喜の輪になった。山下が「(PK失敗は)これでチャラね」と言うと「もう1本決めてチャラでしょう」とからかわれたそうだ。数字の目標を問われて「個人的な数字は出しません。一試合一試合結果を出すだけ。優勝とJ2昇格が目標。とてもやりがいのあることです」と言った。
  Jからやってきた横山聡(湘南)、小林(鳥栖)、谷池(徳島)も注目だった。3人ともレベルの高いプレーを見せてくれたが、彼らにとっては当たり前で、もっともっと高いものを持っているはず。今後の楽しみが増えた。特筆級の活躍だった左サイドの石川を高橋監督は「高い技術がある。自信を持って先発させた」と話した。私は、小柄で献身的な石川を多くの子供たちに見てほしいと常々思っている。実はこの試合で、北出の能力の高さを初めて実感した。昨季、右サイドハーフ起用が多かった時には感じなかったが、攻守ともに期待通りだと認識できた。新主将の責任感がプレースタイルにプラスに作用したのだろうか。鼻骨骨折を押してフル出場の堀田には頭が下がる。復活した吉見の15分間、ルーキー高安の10分間も貴重なシーンだった。
  開幕戦の入場者は1万2539人。過去最高だった昨季開幕戦の2倍だ。「こんなに入るとは思わなかったので最高でした」(山下)、「応援に震えました」(北出)と、選手たちも感激だったようだ。子供や家族連れ、若者、女性同士、中高年。本当に幅広い年代の、いい顔に埋め尽くされたスタンドだった。チャンスやピンチでの地鳴りのような歓声。これがなくっちゃJリーグに行けない。
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by tsc2007 | 2007-03-20 12:14
No.197 開幕戦「1-0勝利」
f0136083_11564614.jpg  栃木SCは開幕のFC琉球戦を1-0で勝って、今季最初の勝ち点3をゲットした。Jリーグ準加盟チームとして、J2昇格を目標に初めて挑むリーグ戦。元日本代表FW山下芳輝ら新加入J戦士4人を含む初のプロ選手9人とアマチュア選手の混合チームは、素人目にも準備は万全でなかったから、勝ち点レースのリーグ開幕戦で勝ち点3を取れたことは本当に良かった。
  栃木SCの2007年シーズンは3月18日、ゴスペルグループ「BROWN BLESS VOICE」の素晴らしい歌唱で幕を開けた。県グリーンスタジアムの青空に黄・青・赤の打ち上げ花火がはじけ、メーンスタンドを埋め尽くした観客から黄色い紙吹雪が放たれ、サポーター集団の「県民の歌」に客席も一体になって歌い、黄色いユニホームの栃木と白いユニホームの琉球の両イレブンが緑のピッチに散って、午後1時2分に福田哲郎主審のキックオフのホイッスルが響き渡った。
  栃木は4・5・1のフォーメーション。GK原、4バックは右から北出、照井、谷池、高野、2ボランチは堀田と久保田、サイドは右に小林、左に石川、山下の1トップにトップ下・横山聡の組み合わせ。中2日でアウェーの刈谷戦を控えており、吉田賢太郎や只木、山田、西川らは温存した形だ。琉球は4・4・2。序盤から栃木がペースを握った。両サイドの突破に山下と横山が良くからみ、2分には右・小林のクロスが横山を抜けた裏で山下が初シュートを放った。6分に北出がミドル、7分には左からの久保田のロングパスを小林がボレー、12分には小林のクロスを横山がオーバーヘッド気味にシュートした。堀田のワイドな動き、小林のキープ力、石川の運動量、横山のアグレッシブさ。高野と北出も機を見てオーバーラップをかけ、新生・栃木SCをアピールした。
26分、石川が得たPKを山下が失敗。10分後、ゴール前混戦から山下が押し込んで先制した。前半はその後も守備重視の琉球にほとんどチャンスを作らせなかった。後半に入り、高野がミドルシュートで狙うと、直後に琉球のエース関がボレーシュート。これはGK原が横っ飛びではじいたが、打ち合いの様相を呈した。琉球が前がかりになったので栃木のピンチが増え、トップの山下も守備に体力を使った。原は4本の危ないシュート場面を防いだ。はらはらドキドキの終盤だった。ロスタイムの三原のFKも原がナイスセーブし1-0のままタイムアップ。高橋監督は「内容よりも勝つことが大事だった。勝てて良かった」と、期待を抱く大観衆の前での勝利に安堵し、「選手間の歯車のかみ合わせは、これから試合を積みながら微調整していきたい」と言った。吉澤監督が開幕前に言っていたように、琉球はまだチームが出来ていない感じがした。次節の相手、FC刈谷の安原監督は「企業チームから市民チームになった昨年に比べて、今年は準備に少し余裕があった」と発言している。「サッカーの街・刈谷」の市民クラブだ。侮ると痛い目に遭う。
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by tsc2007 | 2007-03-19 18:55
No.196 さあ開幕だ
f0136083_11554239.jpg  2007年シーズンを迎えた栃木SCがこれまでと一番違う点は、Jリーグ準加盟という立場でリーグ戦に臨むということだ。Jリーグが「原則2位以内」から「4位以内」に昇格条件を緩和したが、高橋監督は「優勝してJ2に昇格する」と断言している。4位以内でOKと考えていたら、たぶん5位か6位で終わる。私たちファンも監督と同じ気持ちでシーズンに臨もうではないか。
  3月12日に東京都文京区のJFAハウスで、開幕前恒例のJFL記者会見があった。全18チームの監督が勢ぞろい(流経大は中野総監督が代理出席)し、今季への抱負を語った。高橋監督は「本当の意味で本番の年が来たな、と実感している。攻守に安定性を持って、200万県民に愛されるチームにしていきたい」と、堂々とあいさつした。J準加盟チームでは、ロッソ熊本の池谷友良監督が「12人を補強し少しレベルが上がった。昨季はゲーム的な体力が不足していて失速したが、これは改善した。昇格だけを考えて頑張る」、ガイナーレ鳥取の水口洋次監督が「新加入8人で若返った。練習環境も整い、あとは結果を出すだけ」と、自信のコメント。注目されるFC岐阜の戸塚哲也監督は「地域の関心は高く、勢いがついてきてプロを目指すチームになってきた。J1の力をつけてJ2に上がらないと、その先が通じない。高い目標を持ってJFLを乗り切っていきたい」と語った。昨季ホンダを優勝に導き最優秀監督賞のFC琉球・吉澤英生監督は「沖縄はとてもいい所だが、沖縄に行くのがイヤだなあと思わせるようなチームにしたい」と笑わせていた。
  会見後、何人かの監督に個別に話を聞いた。鳥取の水口監督は「去年まで夜の練習だったのを昼間の芝生にして練習量が増えた。7泊8日の九州合宿もやった。ただ、厳しいゲームの実績という意味では栃木の方が上でしょうね」と言った。水口さんは90年度天皇杯の松下電器(現ガンバ大阪)優勝監督。手ごわいぞ。熊本の池谷監督は「Jリーグとの練習試合を多くやったが、JFLとはサッカーが違うので…。開幕をベストに持っていって、そこからさらに成長したい。J昇格には、成績だけが求められているので、自信を持って臨みたい」と迷いのない目で語った。小山に半年間いたことがある戸塚監督とはお互いに「懐かしいですねえ」と握手。「栃木にプロを目指すチームが出てきたことをうれしく思う。対戦が楽しみ」と柔和な表情で話してくれた。

開幕戦で対戦する吉澤監督は「沖縄には同レベルのチームがなくて実戦練習不足。栃木戦はぶっつけ本番のようなものです。ただ、一年間戦えるように、しっかりとフィジカルをやった。開幕してから、試合ごとに修正していく」と、ちょっと控え目だった。
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by tsc2007 | 2007-03-15 22:27
No.195 高橋監督の集大成
f0136083_1353416.jpg  1月17日のスタートミーティングから3月11日の開幕前最後の練習試合までを高橋監督は「長かったですねえ」と振り返った。2月20日のJリーグ準加盟決定を筆頭にして、この間にチーム強化や会議・打ち合わせ、メディア対応、それに本職の中学教諭の仕事と、やることがヤマほどあった。気付いたら開幕まで1週間。3月12日には東京のJFAハウスでJFL記者会見があり、懇談の場で私に「いよいよ始まるんだな、という実感がわいてきました」と、本当に実感のこもった顔で言った。
  思えば昨シーズン終盤、富山県魚津市での後期第16節・YKK AP戦。1-1で終了し、記者団のインタビューに答えた後、高橋監督はロッカールーム隣の薄暗い用具置き場のような所に4バックの4選手を集めた。帰りのフライトまであまり時間がなかったはずだが、かなり長く、10分以上も4人に対して大きな声を交えながら話していた。近付いて耳をそばだてる雰囲気ではなかったので、後で監督本人に話の内容を聞いた。「きょうの流れの中では、エースが1点取ったのだから(吉田賢太郎の28分の先制ゴール)、何が何でも守り切らなければ。4バックは鉄壁でなければならない。絶対に失点しない―それがディフェンスの心なんです。そういう自分の価値観を求めていかなければならないことを言い聞かせました」。
  お互いに死力を尽くした好ゲーム。栃木にとってはアウェーで強敵に引き分けたのだから、冷静に考えれば及第点の試合だった。栃木の失点は、相手の見事なカウンターから。しかし高橋監督は、失点を許容しようとはしなかったのだ。この時、監督続投を胸に秘めて来季につながる指導を意識したのか、降板を心に決めていて最後の情熱を若い選手たちに注いだのか。監督の去就が水面下にあった折、誰にも見られず守備陣を叱咤するシーンは、プロフェッショナルなサッカー指導者の姿だった。
  公認S級ライセンスを持つプロの監督の起用もウワサにのぼっていたが、5シーズン目となる高橋監督の集大成という意味でも、2007年シーズンは私たち地元ファンの応援に一層気持ちが入るというものだ。結果が「4位以内」ならJ2昇格が現実のものとなる。「いや、優勝を目指します。目標は、昨季のホンダの勝ち点83を上回る勝ち点86。そのくらい高い目標を設定しなければ優勝はないし、優勝を目指さなければJ2昇格はないんです」。スタートミーティングで「自分のサッカー人生すべてをかける」と決意表明した高橋監督。栃木SCを率いて、ついにJロードの一本道を歩み出す。
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by tsc2007 | 2007-03-13 22:46
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