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No.215 ホンダ戦引き分け
f0136083_2092291.jpg  都田(みやこだ)で勝つことは栃木SCにとって一つの目標だった。栃木の力は王者・ホンダと五分五分かちょっと上になったし、ホンダは優勝した昨シーズンほどの勢いはない。だから都田1勝のチャンスだったのだ。試合は栃木が先制しホンダが追い付き、栃木が82分に再リードした段階で2-1で勝ち切ったかに思われた。しかしロスタイム、「ホンダのお家芸」(高橋監督)のCKから失点して引き分け、密かな目標を遂げることはできなかった。 
  栃木は前節の3バックを4バックに戻した。山下との前線コンビは今季初出場の佐野。ボランチに小林が入ったのには驚いた。この日はもう一つ驚きがあった。交代投入の永井をトップ下で使ったことだ。小林も永井もサイドアタッカータイプだが「即席の起用」(高橋監督)の割には悪くはなかった。小林は高い位置を意識したので、前の山下と中盤の潤滑油にもなった。これに左・石川と右・久保田のサイドハーフがからみ、さらに左サイドバックの高野が前寄りになって、前節・佐川急便戦よりも攻撃の形に可能性が感じられた。
  前半は風上のホンダが押し気味。ホンダは増田と鈴木弘大、栃木も石川と佐野がきわどいシュートを放った。後半は風上になった栃木が攻勢をかけた。左の石川がどんどん仕掛け、小林や佐野がシュートを狙ってリズムをつかんだ。持ち味の運動量でホンダ守備陣を疲弊させた佐野は、65分の惜しいシュート直後に永井と交代。もったいない感じだったが、ピッチに入った永井は佐野が耕した畑に実を成らせた。69分、風上からの原のゴールキックをマイボールにして、久保田が右のスペースに開いた永井にパス。永井はファーにクロスボールを入れ、石川がジャストタイミングのヘディングシュートを決めた。「山下さんに、ゴールキックの時のポジショニングを指示されました。その通りにサイドに大きく動いたら、久保田が足元ぴったりのパスをくれました」という永井は、自分でもびっくりの高精度クロスだ。石川は「ニアで山下さんがつぶれ役になったのでファーに開いて待ちました。ボールもDFもGKも見えていました」と、チームとしても久々のナイスゴールを喜んだ。
  81分に川島大樹のヘディングシュートで同点にされたが、直後には左の茅島からパスを受けた永井がポスト役になって山下につなぎ、山下がワンタッチでゴールネットを揺らした。これも原が強風を利用して放り込んだゴールキックからの流れだったが、フィニッシュの形は2ゴールともワンダフルだった。これで終われば誰もが幸せだったのに、ロスタイムにホンダの左CKを堀切に右足で合わされ同点。勝利を信じていた栃木側の誰もがぼう然自失状態となった。
  1点リードして残り数分。何が何でも相手ボールをつぶしに行かなければならなかった。気温30度超の中、疲れはピークだったと思うが、ここで体を張らずしてどうする? 私はカメラの望遠レンズ越しに「おまえら、ファウルしてでもいいから止めろ!」と何度も叫んだ。どうしてロスタイムに、深い位置への侵入を簡単に許してしまうのだろう。栃木はゴールシーンのコンビネーションが良かっただけに、こんなことでその光明が消えてしまうのでは本当にもったいない。
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by tsc2007 | 2007-05-29 20:09
No.214 走りて路を得よ
f0136083_1774036.jpg  佐川急便に敗れた日の夜、仕事を終えて帰宅し、やけビールを飲んでいたら玄関のベルが鳴って「佐川急便でーす!」というので、びっくりした。鳥取から砂丘長芋が送られてきた。以前のコラムにも書いた生産農家の友人からだ。4月に栃木SCが米子遠征した際、一家5人と倉吉市の寿司屋で食事を共にし、ごちそうになったお礼にこちらの地酒を送ったら「そんな、気にせんでええわ」と言いながら、私の健康の源を再度届けてくれたのだった。電話すると奥さんが出て「だんなは野球の打ち上げで遅くなるけん。なあに佐川急便に負けたって? うちらこのあいだ勝ってなあ、少し上がったけんね」「鳥取はこれから4連勝か5連勝するよ」「そうならいいけど、弱いと一緒にJリーグに行けへんからなあ。栃木だけ行ったら、もう鳥取に来なくなるけん、さびしいよお」。いつもこんな会話をするのだ。
  栃木SCが苦しんでいる。開幕6戦目のソニー仙台までは下位だったので目立たなかったが、見る目のある人たちの中には「今シーズンは強い栃木をまだ一度も見ていない」と憤慨する声があった。私たちメディアが軽々しく「快勝」と伝えた東京での横河武蔵野戦でさえ、その戦い方をこきおろす意見があった。私は、練習環境がすこぶる悪い栃木としては、リーグ戦を戦いながらチームづくりをしていくしかないと思っていた。だから、負けなしで来た7試合目(アローズ北陸戦)までは、少しずつ良くなっていたように見えたので、上位との連戦も何とか戦えるだろうと内心は思っていた。
それは甘かった。これまでのJFLよりも今シーズンは厳しい。上位チームの力が、以前の上位チームよりも上だ。開幕前から「群雄割拠だ」と言っていたけれども、Jリーグ準加盟以外でも力をつけてきたチームがある。栃木を抜いて4位の横河武蔵野は、JFL参入当初は練習に選手が集まらないような状態で最下位も経験したが、今は立派な人工芝練習場とNPO法人化で本物の力をつけてきた。佐川急便は1+1(東京+大阪)=2になった。次節の相手のホンダは古豪の実力に加えて、基本的に午後2時半から5時に芝生で練習している。こういう相手に、「夜に土のグラウンド」が基本の栃木が勝てるのだろうか。私は、選手補強よりも練習環境の改善を声高にしてきたが、せっかくの補強を生かせないような練習環境が厳然として残ったのだった。芝生が立派に養生されたホーム・栃木県グリーンスタジアムは、実は栃木SCの選手たちにとっては、慣れないアウェーのピッチなのである。
それでも戦い続けなければならない。今回タイトルにした「走りて路を得よ」はダンテの「神曲」地獄編の一節だ。ロッソ熊本戦を前に、宮本武蔵の「人を打たんとすれば、我が身を忘るる物なり」を引用したのは、ロッソに勝つために、厳しいことは分かっていてもどちらかのサイドバックが仕掛けて、それに連動して攻撃し、相手の壁を崩してほしかったからだ。それをしなかった。強い相手には危険が伴うが、危険を冒さずして何ができよう。走らなければ地獄からの活路は見出せない。分かり切っていることが、今の栃木SCには欠けている。指揮官の迷いもある。選手も迷っている。だから、苦しい今こそ、この言葉を引用した。ビールを片手に、ガイナーレ鳥取とのJ2同時昇格を願っているオジサンのたわごとではあるけれど。 
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by tsc2007 | 2007-05-22 17:07
No.213 佐川急便にも敗れる
f0136083_1550323.jpg  前期第12節の首位・佐川急便戦は、これまでの4バック(4・5・1)から3バック(3・6・1)にシステム変更して臨んだ。3バックは今季3度目だが、最初から敷いたのは初めて。上位との5連戦を1勝2分け2敗とつまずき、ホーム足利で連敗しているので、「何かを変えなければ」という意識がチーム内にもあり、その一つとしてシステムをいじってきた。昨季途中まで3バックが基本だったので、外から見た目に違和感はない。ベテランボランチの種倉を初先発させたのも中盤のバランスを重視した一石だったろう。前節のYKK AP戦で結果を残した右・小林、左・片野をアウトサイドで先発起用した。
  「前に人数をかけて、攻撃的に行く狙いだった」(高橋監督)。山下の1トップ、横山聡と西川の2シャドーはどんな相手にも脅威だろうし、谷池を真ん中にした山崎と照井の3ストッパーは、御給や中村のような強力ストライカーにも対応できるはずだった。「いい守備からいい攻撃をするプラン」(同)だったが、チーム全体がアグレッシブに躍動する佐川急便の前に苦戦を強いられることとなった。
  2分に堀田がミドルで初シュート。直後に佐川・堀のシュートを照井がブロックし、緊張した雰囲気の中でゲームは始まった。12分に堀田が起点となってつなぎ横山がシュートした場面は惜しかった。21分に山下と横山のコンビネーションから片野がライン裏に抜けたがオフサイドでチャンスを逃した1分後、佐川は山根がボール奪取して右の中村に開き、クロスボールを御給がどんぴしゃりのヘディングシュートで先制した。サポーターが応援幕で掲げる「獲られたら獲り返せ」の気迫は、例えば25分にDF山崎がドリブルで前線に進出したプレーに感じられたが、高橋監督が「相手は中盤の構成が良く、DFもバランスが取れていた」と振り返ったように、ゲームは佐川が支配していた。
  58分に高秀を右サイド、68分に金子を前線、79分には茅島を左サイドに投入して反撃に出たが、生命線のサイドでは1対2の数的不利が目立ち、決定機はロスタイムに入ってからの左クロス2本にとどまった。0-1の敗戦。ホームで3連敗。優勝に黄信号が点滅する3敗目。つないでフィニッシュの形に挑むプレーなど、前回書いた「危機的状態」からは、少し光が見える試合内容ではあった。しかし、つまずきの始まりとなったアローズ北陸戦(1-1)からの上位6連戦の「1勝2分け3敗」という結果は深刻だ。佐川急便・FC岐阜・ロッソ熊本の3強が抜け出し、3位ロッソとの差は勝ち点6(2勝分)に開いた。次は古豪のホンダ戦。7位・ホンダは不調と言われながら勝ち点19で、21の5位・栃木は1試合でひっくり返る。
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by tsc2007 | 2007-05-22 15:50
No.212 YKK AP戦、ロスタイムに追い付く
f0136083_1012684.jpg  前期第11節は富山県魚津市・桃山運動公園陸上競技場で、バックスタンドに掲げられた両チームのフラッグがちぎれんばかりの強風の中、YKK APと対戦した。勝ち点も得失点も並んでいる相手との直接対決は、前半にYKK APが2点、後半に栃木が2点、いずれも風下でゴールが決まって引き分けた。今節勝った佐川急便、ロッソ熊本、岐阜が上位3強を形成し、4位5位のままのYKK APと栃木が追う展開だ。
  栃木の前半10分は悪くなかった。5分に山下のパスを右でフリーの石川がシュートしたが、風の影響か、左ポストではね返ってしまった。押し気味にゲームを運べる予感は10分過ぎには遠のいていった。YKKは風を味方につけるためか右サイド(栃木の左サイド)一辺倒の攻撃に出た。12分、DF小田切が右クロスを入れ、中で新エース北野が受けてターンしながらシュート。左隅に転がして先制した。栃木は左の茅島を使ってサイド攻撃を狙うがマークが厳しい。32分にはDFの裏を突かれて牛鼻に押し込まれ2失点目。結局、前半の栃木のシュートは石川の1本という重苦しいハーフタイム入りとなった。
  高橋監督はロッカールームで「このままじゃ帰れないゾ」と選手たちを鼓舞したそうだが、後半のピッチで4バックから3バックにシステム変更したことが、流れを変える一手となった。練習試合で目立っていたFW金子が今季初出場で1トップ、山下と横山聡がシャドーストライカーとなり、ボランチの堀田と久保田がミドルからシュートを狙った。前半とは逆に左サイド(栃木の右サイド)に攻撃の重心を移したYKKがしばらくはペースを握っていたが、残り15分になって右アウトサイドに小林が投入されて、栃木がリズムをつかんだ。78分、右深い位置の相手スローインを小林がインターセプトし金子がドリブルで運んで低いクロス。ゴール正面で山下が合わせ、こぼれたボールに小林が走りこんでシュートを突き刺した。タイム表示が後半45分を告げた直後、左ゴールライン際のFKを堀田が山なりにファーを狙って入れた。山崎と金子の頭を越えて裏に抜けた。そこにいたのが、62分に左サイドに配置されていた今季初起用の片野。「ベンチで、風に流されるボールを見ていたので、いつもはいない所で待った」という片野は、DFの寄せをかわしてニアの小林に柔らかいパス。小林が左脚で合わせると、ボールはGKとポストの間を抜けた。
  敗色濃厚な中での同点劇。かなり早い段階から逃げに入っていたYKKにとってはショックな引き分けだったろう。特に栃木は、交代出場の3人が得点に絡んだことは良かった。しかし、その小林は「引き分けでは上に行けないじゃないですか。勝たなければJ2に上がれない。それだけです」と、2ゴールの大活躍を喜ぶそぶりも見せず、表情は厳しいままだった。確かに、上位と当たったこの5試合は1勝2分け2敗。J昇格を目指すチームの数字ではない。危機的状態であることは自覚すべきだろう。次節の首位・佐川急便、その次の古豪・ホンダに連勝するようでないと、Jリーグ準加盟の名が色あせてしまう。長丁場のリーグ戦と言っても一試合一試合が重い。魚津で得た勝ち点1と失った勝ち点2。「逃がした魚は大きい」とダジャレを言っても、今は誰も笑わない。
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by tsc2007 | 2007-05-15 10:01
No.211 ロッソ戦0-2完敗
f0136083_1042760.jpg  前期第10節のロッソ熊本戦は、警戒していた高橋泰と小林陽介の2トップにゴールを奪われて、0-2と完敗した。昨シーズン初対決で敗れた時と同じ雨の足利。Jリーグ準加盟チーム同士で、J2昇格の最大のライバルとの対決に3016人もの観客が訪れたが、FC岐阜戦に続くホーム連敗という残念な結果となった。
  中2日の強行日程は同じなので、旅行なしのホーム栃木が有利のはずだった。ロッソは前節と同じ先発メンバー。栃木は前節休養した山下と小林が入った。前半は栃木もいい感じの時間があったが、フィニッシュの形が少ない。ロッソは中盤の危険人物・小森田が正面からのミドルシュートで栃木ゴールを脅かす。徐々にロッソが中盤を支配し始め、西森、熊谷、喜名らMF陣の絡みが良くなった。栃木のビッグチャンスは22分、ワンタッチパスをつないで左の高野と高秀が起点になったシーン。横山聡と山下にシュートチャンスがあったが決められず、0-0で後半に折り返した。
  後半開始早々、ロッソのエース高橋に、ものの見事にやられた。右サイドから熊谷がライン裏を狙ったボールを胸トラップしてDF山崎をかわしボレーシュート。GK原の頭上を松坂の落ちるスライダーのように鋭く襲ったボールがゴール真ん中に吸い込まれた。高橋は得点ランキング断トツの10点目。栃木は55分、FW西川を投入して反撃に出た。交代相手はボランチの山田。西川は山田の位置に入り、マイボールの時には前線に進出したので、攻守に1・5人分の仕事を課せられたように見えた。ダイナモ(発電機)の本領発揮か! しかし、サッカーのピッチにスーパーマンは存在しない。10分もすると西川は上がり気味となり、偶然か必然か分からないが、堀田のシングルボランチになった。前半からロッソに牛耳られていた中盤が、これでますます熊本領になってしまった。GK原の好セーブや4バックの踏ん張りで何とか失点を食い止めていたが、80分にロッソ左サイドからのクロスボールを小林陽介にヘディングで合わされた。この追加点で勝負は決まった。栃木は空中戦要員の山崎をトップに張らせたパワープレーに出たが得点には至らず、残り5分というところで石川を入れて望みを託したが焼け石に水だった。
  栃木に得点のにおいはなく、むしろよく2失点で終わったな…という印象だった。それほどのワンサイドゲーム。ホームチームはいったいどっちだ? と叫びたくなるような、消化不良の試合内容。試合後、ロッソの池谷監督は「強い気持ちを持ってファイトしてくれた」とイレブンをたたえた。高橋監督は「ホームでライバルに完敗して、悔しい思いでいっぱい」と苦渋の表情。10戦目で初めて複数失点した4バックの統率役の谷池は「これまではDFが苦しい時に攻撃陣が点を取ってくれたし、攻撃陣が苦しい時にはDFが踏ん張っていた。きょうは両方がうまくいかなかった」と完敗の要因を総括した。横河武蔵野戦で栃木がやったような集中した戦いを肝心のホームでロッソにやられてしまった。戦い方の差なのか、力の差なのか。今後も続く強豪との対戦に不安を抱え込んでしまった。
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by tsc2007 | 2007-05-08 10:05
No.210 横河武蔵野に2-0快勝
f0136083_20322837.jpg  前期の正念場「5月決戦」に入り最初の横河武蔵野戦は、今季最高のゲームで2-0と快勝。勝ち点17で並び得失点差1で上を行く横河とのアウェーの局地戦を制し4位に上がった。岐阜戦から中3日。栃木は吉田賢太郎と横山聡の2トップ、右・高秀、左・石川のサイドハーフ、堀田と山田のダブルボランチ、4バックは右から北出、谷池、今季初出場の山崎、高野、GK原の4・4・2。栃木は序盤から前線のプレスを厳しく行った。「横河はロングボールを蹴ってくるチーム。蹴らすと相手のリズムになるので、賢太郎とプレッシャーをかけた」と、出場停止明けの横山聡はエネルギッシュに相手DFに挑んだ。中盤やサイドでも栃木はプレッシャーを強めたので、横河は態勢を整えられない。
  この状況に追い討ちをかけるプレーが15分に生まれた。堀田からパスを受けた北出が右寄りの約30m付近で右足一閃。意表を突くミドルシュートはゴール右隅に吸い込まれた。高橋監督が「チームに勢いをつけた」と評した先制点。北出は「監督からシュートを積極的に打てと言われていた。ミドルシュートを打つことで相手4バックを前に出させたかった」というJFL初ゴールだ。これで横河のバックラインは前のスペースを意識して上がり気味になり、裏のスペースが栃木アタッカー陣の狙い目になった。28分に山田が横山に通した縦パスにもその意図があった。
  後半早々の48分、この日の栃木スピリットを象徴するシーンから追加点が決まった。栃木の右サイド深いところから横河DFが大きくクリアしたボールが自陣左サイドの高野に向かった。その時、右にいた石川が鋭いフリーランで左サイドにポジションを移した。高野は石川にフィード。石川は中の堀田にパスし、すかさず堀田が縦のスルーパスを横山に通した。裏のスペースに抜けた横山がシュート。相手GKの脚に当たったボールが横山の正面にはね返った。GKもDFも倒れていたので、ゴールマウス前フリーの横山はにっこり笑って頭で押し込んだ。一連の流れの中で、石川の動きが効いていた。両手で胸をたたく「ゴリダンス」で喜ぶ横山に賢太郎が抱きついた。
  横河の最も危険な男、FW大多和が61分に2枚目のイエローカードを受けて退場し、栃木の勝利は揺るぎないものとなった。横河は池上が左右から何度もクロスボールを狙ったが北出と高野がその球際をつぶした。試合終了後、北出は自身の先制点よりも「0点に抑えたことの方が重要」と言った。前夜、宿舎となった新宿のホテルで、選手だけのミーティングが設けられたという。「岐阜戦の負けから何を学ぶか」「もっとDFラインを上に保つにはどうしたらいいのか」「相手ロングボールをDFがはね返したらボランチが拾って、うまく散らそう」「引く時と行く時をはっきりさせよう」。このような話し合いがあったそうだ。「選手それぞれの良さが出た」(高橋監督)という横河戦での選手たちの動きには、このミーティングが反映されていたのだろう。
  山下と小林を温存し、西川も約10分間のファイトだった。中2日となるホーム足利での3位・ロッソ熊本戦も、横河戦のような厳しいプレス、素早い出足、シュートの積極性、球際の執念、選手間のコミュニケーションがあれば、1週間前の岐阜戦の屈辱を晴らす試合が期待できる。
  
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by tsc2007 | 2007-05-07 20:43
No.209 岐阜に0-1で惜敗
f0136083_10475811.jpg  前期第8節のFC岐阜戦は、首位争いの直接対決、Jリーグ準加盟チーム同士の対戦、快晴のゴールデンウイーク、J2昇格シーズンの足利市での初開催など、数々の要因が重なって、小さなスタジアムに5188人もの大観衆が詰め掛けた。メーンスタンドは満席、芝生席もホーム側は栃木サポーターが埋め尽くして、最高の雰囲気で試合は始まった。栃木は左サイドに高秀が今季初出場。横山聡が出場停止で、山下との前線コンビは西川だった。「連戦なのでコンディションを考えた」(高橋監督)と北出が定位置の右サイドバックには遠藤を今季初起用した。岐阜は全試合先発の片桐と2戦連続先発のジョルジーニョの2トップ。この21歳ブラジル人は、豊富な運動量に加えて一対一を抜き去るテクニックがあり、サイドの小島や北村と共に、栃木の悩みの種となった。
  栃木は山下のポストプレーを起点に小林や西川、高秀が相手ゴールに挑んだ。17分には西川のドリブル突進から高秀がシュートしたがGK正面。22分には堀田の右CKを西川が高い打点でヘディングしたがわずかにゴール左。栃木が主導権を握っているように見えたが、中盤でのセカンドボールへの反応は岐阜の選手たちの方が速く、パスのつながりや動きの連動性も岐阜の方が上だった。それでも岐阜の戸塚監督は「マークがずれ出してイヤな時間帯に」なったことをハーフタイムに修正。ボランチの齋藤を岩田に代えて、マークの確認を徹底した。この采配によって中央エリアを岐阜が支配し、栃木は高秀や交代投入の茅島、永井がサイドからどんどん仕掛ける形となった。
  拮抗した展開では1点を先に取った方が断然有利。チャンスの数はほぼ同じで、シュートシーンのほとんどが決定的な形だったので、「どちらが勝ってもおかしくないゲーム」(戸塚監督)だった。75分、岐阜の右寄りのFK。小峯が栃木ゴールに向かう低くて速いボールを放り込み、競り合いでこぼれたところを深津が押し込んだ。ハーフタイムに高橋監督は「リスタートに気をつけろ」と指示していたが「ライン設定が低過ぎた」ためか、失点してしまった。この時、高秀がケガの治療のためにピッチ外に出ていた。FKなので人数はあまり関係ないが、ぎりぎりのせめぎ合いで戦っていた栃木の選手たちの心理に「一人少ない」という見えない動揺が生じて、一瞬のスキができたのかもしれない。高橋監督は「アクシデントがあった時に決められた」と悔やみ、戸塚監督は「ウチの方に運があったのかな」と振り返った。
  ゲームキャプテンを務めた西川は「チャンスは両方にあった。それを決められたかどうか」、山下は「先制点を取れば試合の流れは決まっていた」と、ライバルに負けたショックを抑えながら、「下を向いているヒマはない」(西川)、「この結果を受け止めて、すぐに次が続くので、気持ちを切り換えなければと思う」(山下)と、ハードスケジュールのリーグ戦に目を転じていた。プロ契約は岐阜28人、栃木9人。その差が出たとは思いたくない。これまでになかった速さと多彩さで攻めてくる相手に、流れの中ではゴールを割らせなかったのだから、自信を失う理由はない。スピードスター高秀が90分間プレーしたことも収穫だ。戸塚監督が「今までのチームとは違う。JFLの厳しさを感じた」と言ったのは、単なるリップサービスではなかっただろう。ただ、厳然たる結果として、岐阜は首位で頭ひとつリードし、栃木は5位に後退した。
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by tsc2007 | 2007-05-01 10:48
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