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栃木SCふぁん!No.239 天皇杯3回戦進出
f0136083_9562451.jpg  第87回天皇杯全日本サッカー選手権大会に10年連続10回目の出場となった栃木SCは、初戦の2回戦でホームの県グリーンスタジアムに滋賀県代表のFC Mi-OびわこKusatsu(以下「FCミーオ」)を迎えた。ミーオは近江(おうみ)を逆からイタリア語風(「私の」という意味)に呼んだ愛称だそうで、草津市をホームに関西社会人1部に所属し、将来のJリーグ昇格を目指す新興チーム。監督は今季途中までJFLのFC岐阜を指揮した戸塚哲也氏だ。戸塚監督には前期の足利市でリーグ戦初黒星をつけられたので、栃木には密かなリベンジ意識があった。
  双方4・4・2で対峙。4分に小林の右FKを横山聡が頭で合わせて先制した。格上の栃木が余裕のゲーム運びを見せ、左サイドの小林、追い越す片野、絡む米田(めた)と、いい流れで攻撃を組み立てた。センターバックの照井が小林に通すロングパスは相手守備網を揺さぶった。ところが34分、その照井がパスミスし、最も警戒していたFW冨田に奪われ、ドリブルで持ち込まれて同点シュートを浴びてしまった。「雰囲気にのまれて硬かったが同点にしてからは持ち味が出せた」と戸塚監督が振り返ったように、FCミーオにとっては大きな1点。格上相手にアウェーで同点にした彼らは、徐々に自信に満ちてきた。バックラインを高く保って中盤をコンパクトにし、攻守にわたって味方との距離を密にする堂々の戦いぶりだ。先発平均24・1歳と若い彼らにとって「戦える」という自信は戦術以上の力になった。
  後半も栃木は攻めあぐねたので、59分に22歳・深澤を投入した。柱谷SCになってからのニュースーパーサブは、いきなり左サイドを突破して、一気に栃木ペースに引き戻した。3分後、上野がヘッドでつないだボールを深澤がクロス。中で横山聡が冷静に左足でシュートを決めた。この日2回ゴリ・ダンスを披露したサトシは「得点を決めることだけを考えていた」と、最高の結果に安堵の表情。アシストの深澤は「点に絡めたが、一対一で何回も引っかかってピンチになった。一日一日が勝負」といつも通り反省の表情だったが、86分に相手DFを前にしてゴール枠に放った強烈な低弾道シュートは可能性を感じさせた。その後、FCミーオは4本のきわどいシュートを放って元気のいいところを見せたが2-1で終了。戸塚監督に勝った栃木が3回戦進出を決めた。
  試合後の記者会見で柱谷監督は「最後はすごくスリリングな展開になってしまって…」と苦笑い。「同点になってからは相手も集中が高まって難しいゲームになった。幸次(深澤)がらみで点が取れて、うまくはまった感じ」と作戦的中だ。「照井があんなにうまいとは思わなかった」と序盤の好プレーに触れた後、「ミスは起きるものなので、その後が大事」と、信頼を寄せるストッパーに自信を持つよう促した。3回戦の相手はJ2のアビスパ福岡(10月7日・博多)。1週間前にヴェルディ戦を見た限りでは、栃木がまったく歯がたたない相手ではなかった。2年連続でJ2を撃破するのも夢ではないと思う。もちろん今シーズンは、天皇杯よりJFLリーグ戦の方が大事なのだが、公式戦でJのチームに勝つことは、Jリーグ準加盟の栃木SCの将来に向けて、必ずやプラスに作用する。
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by tsc2007 | 2007-09-25 09:57
No.238 一観客の日曜日
f0136083_9444574.jpg  天皇杯1回戦が全国で行われた9月16日の日曜日は、栃木SCが2回戦からの登場となった関係で、珍しくスケジュールがぽっかりと空いた。東京ヴェルディ1969のホーム戦があったので、味の素スタジアムに応援に行った。快晴でまぶしい緑のピッチは、昨年の天皇杯3回戦で栃木SCがヴェルディを1-0で破った舞台。あの快挙がつい最近のことのように思い出された。
  J1復帰を目指す4位・ヴェルディの相手は、勝ち点3差の7位・アビスパ福岡。アビスパは、栃木SCが天皇杯2回戦に勝つと3回戦で戦う相手だ。いつもはヴェルディ側ばかり見るのだが、この試合はほとんどアビスパ側を見ていた。偵察要員の気分だ。3・6・1で、先発はGK神山、3バックは長野、宮本、チェッコリ、ダブルボランチは城後と布部、アウトサイドの右に田中、左に久藤、ウイング的な2列目の右に長谷川、左にアレックス、1トップはリンコン。アウェーで守備的ながら、長谷川とアレックスがワイドな位置からゴールに向かう動きや、田中が長い距離を走って攻撃参加するのが目についた。ヴェルディに2点リードされてからは前がかりになり、終盤には長野を上げて長谷川と2トップのパワープレーに出た。スコアは2-0でヴェルディの勝ちだったが、ヴェルディGK高木が決定的危機を3本止めた結果でもあった。
  試合前、知人のヴェルディサポーターが新聞見開き大で印刷された緑色の応援ボードを客席で配っていた。「ヴェルディはもう一息だね」と声をかけると「栃木FCは厳しいんでしょう?」と、こちらの事情をよく分かっていた。東京の人間なので「FC」と平気で言う彼は「ま、来シーズン一緒に戦うことはなさそうですね」と微妙な言い回しだ。試合後の京王線の車内でヴェルディサポーターたちが「栃木SC」を口にしていた。耳をすますと「先生がいたんだろ?」「先生のチームですよ」「ウチらのあと、エスパルス相手に4点取ったね」「そんなに強かったんだ」「エスパルスは6点取ったけど」…。遠く離れた東京で栃木SCが語り草になっていることがうれしかった。
  その帰り、東京ドームの巨人-広島戦を観戦。9-0で巨人が勝って首位に立ち、盛り上がった。観客数45486人。相変わらず満杯だ。ヴェルディ戦は7274人で、こちらは5万人収容スタジアムがスカスカだ。J1でもJ2でも同じくらい。Jリーグ発足当初、本来の東京から川崎に追いやられた影響が癒えていない。カズやラモスが全盛で国立競技場が6万人の超満員になった試合を何度か取材した経験があるので、今のヴェルディの境遇は胸が痛い。それに比べて、わが栃木SCは今季の入場者が断トツの首位。前節のホンダ戦も5588人が訪れた。惨敗だったにもかかわらず、初めて観戦し感動したという50代の知人女性は「また必ず応援に行きます」と言った。今後も栃木のサポーターやファンはスタジアムに来てくれるだろう。久々に、一観客としてサッカーと野球を観戦した日曜日。私は改めて、栃木SCと、それを取り巻くシーンの素晴らしさを認識した。勝っても負けても、JFLでもJ2でも、栃木SCは栃木SCなのだと思った。
  9月23日の天皇杯2回戦の相手は滋賀県代表。その5日後、同じ滋賀県の佐川急便と延期試合を戦うのは何か因縁めいている。どちらも勝ってほしい。天皇杯でアビスパと当たれば、アビスパ史上最高のFWと言われる山下芳輝や、以前所属していた上野優作と米田(めた)兼一郎も水を得るかもしれない。佐川急便に勝てば、J2昇格に向けて息を吹き返す。
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by tsc2007 | 2007-09-19 09:46
No.237 ホンダ戦0-3完敗
f0136083_17265570.jpg  強い日差しでまぶしい真夏日だった後期第9節のホンダFC戦。今季3番目に多い5588人もの観客の前で、J2昇格のために負けてはいけない栃木SCが、前半にまさかの3失点を食らって0-3で完敗した。前年覇者のホンダは底力のあるチームだから、アウェーならこの結果は仕方がない。でもホームだったのだ。ここ2年ほど互角に競い合っていたチーム力はどこに行ってしまったのだろうと思わせるような、不甲斐ない試合内容に唖然とさせられた。
  4・4・2同士、がっぷり四つの好ゲームが期待された。しかし前半、栃木が良かったのは16分に上野の左からのシュートが抜けたところに只木が詰めたシーンだけ(オフサイドでノーゴール)。栃木はワンサイドゲームと言っていいくらいにやられ続けた。21分、ホンダ右サイドで堀切が柴田につなぎ、クロスボールを正面から新田がヘディングで決めて先制。守備要員は足りていたのに簡単に失った。36分には左に流れた柴田がグラウンダーでセンタリングし、新田がスルーした後ろで西がスライディングしながら押し込みホンダが追加点。さらに39分、右の堀切から柴田を経て中央で受けた糸数が左足ロングシュートを右隅に放り込んだ。
  3点を追う後半、栃木は高野を下げて久保田を入れ、3バック気味にした。右サイドの小林に代えて高安も同時に投入。「先に1点を取れば流れが変わる」(柱谷監督)と、サイドから前へのスピード勝負に出た。ところが前半同様、ホンダは栃木のサイドハーフを数的優位で徹底マークし起点をつぶした。栃木はさらに堀田に代えて山下も入れ、超攻撃的シフトを敷いたが、決定的シーンは85分に只木、久保田、小原がワンタッチをからめてパスを回し、最後は山下がシュートした1本にとどまった。ロスタイムには、裏に抜けたFW川島を山崎が後ろから倒してレッドカード。もう散々だった。
  試合後、柱谷監督はアラート(常に油断せず機敏に対応すること)という表現を使い、山崎の退場を「今日のゲームを象徴するシーン」と指摘した。アラートは野球やバレーボールなど他のチームスポーツにも必要なものだが、脚への負担がある。サッカーは走る距離が長くて体力消耗が激しい分、アラート意識が薄れやすいが、栃木には前半からこれが足りなかった。例えば、ホンダの右サイドバック堀切はまさに90分間、アラートな状態だった。ボールが遠くにあるのに、彼の両足が小刻みに反応していたのを私は何度も見た。
  それにも増して私の目には、山崎だけでなく栃木のほとんどの選手に疲労がたまっているように見えた。みんな体が重そうだった。昼練習に移行して2か月。猛暑日が続いた夏の疲れはピークではないだろうか。選手に聞いても、誰も弱音は吐かないけれど、フィジカルコンディションが心配だ。負けられないプレッシャーはさらに強いだろう。メンタルコンディションは大丈夫だろうか。シャワーだけでなく、ちゃんとあったかい風呂に入っているだろうか。
  4位以内が至上命題の9位・栃木にとって勝ち点0は致命傷。流経大に抜かれて10位に下がったが、次の試合(9月23日の天皇杯2回戦)まで2週間、次のリーグ戦(9月28日の佐川急便戦)まで18日間。コンディションを回復するだけの時間はある。
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by tsc2007 | 2007-09-12 17:28
No.236 天皇杯出場決定
f0136083_9162995.jpg  栃木トヨタカップ第12回栃木県サッカー選手権大会の決勝戦にJFLスーパーシードの立場で臨んだ栃木SCは、挑戦者・作新学院大を4-1で退けて、10年連続10回目の天皇杯出場を決めた。全国リーグで戦っている栃木SCには、県内に敵はいないから、順当な結果だ。むしろ、J2昇格がかかっているリーグ戦に向けて、戦術確認や連係強化といった側面を持つ試合だった。先発は前週のYKK AP戦と同じメンバー。違うのは、交代枠が5人もあり、11人もベンチ入りできるという、この大会独自のレギュレーション。柱谷監督は「5人枠と知ってびっくりした」そうだ。親善試合や練習試合ではよくあるが公式戦では珍しいからだ。翌週に強豪ホンダ戦を控える指揮官にとって、5人も交代できるのはプラスだった。ベンチに8人入れて、5人枠を全部使った。
  両チームとも4・4・2だが、作新大がトップに1人を残して10人でがっちり守り、栃木がポゼッションして作新大ゴールに迫る予想通りの展開。格下といっても引いた相手を崩すのは難しい。17分、FKからのヘディングシュートで先制を許してしまった。サッカーではよくあるシーン。こういう時は「あわてないことが大切」(上野)。その通り、栃木は攻め続け、32分の右CKの際に上野がエリア内で引っ張られてPKを獲得。上野自身が決めてまず同点。39分には右サイドで高野が起点となり、小林が入れたクロスボールを相手DFがかぶって抜けたところを小原が腹でトラップし右足で蹴り込んだ。前半はやや攻めあぐねた感じもあったが、ミドルも含めてシュートをどんどん放ったし、各選手が丁寧に枠をとらえる意識でシュートを打っていた。
  後半は前半にも増して、サイドバックの攻撃参加とそれに伴うDFラインやボランチ、前線などのコンビネーションを確認する意図が見えた。60分には上野と小林に代えて山下と高安を投入。さらに小原→横山聡、片野→横山寛真、只木→久保田の交代があった。片野は警告累積でホンダ戦出場停止なので「一度(実戦で)合わせておきたかった」(柱谷監督)と、サイドバックの右にノブ、左に修栄を置いた。二人とも得意なポジションだし、盛んにオーバーラップを仕掛けていた。右のワイドに張った高安は「前への突破力があることがわかった」(同)と評価を得た。67分、相手ペナルティエリア右外で、前に仕掛けた高安が倒されてFKを得た。キッカーは米田(めた)。ゴール前で両軍がひしめく。その時、山崎が山下に「空けてやるから後ろで狙って」と耳打ちしたそうだ。米田がキック態勢に入り、選手の一群はゴール側へ。その瞬間、山下は一人ゴールから離れる動きでフリーになり、そこへ米田からグラウンダーのパスがきた。右足ダイレクトでシュートし3点目。「練習でもやっていなかった」(山下)というサインプレーが見事に決まった。67分には聡が久保田のクロスを受けて4点目。サポーターに向かって控え目なゴリ・ダンスを見せてくれた。
  柱谷監督は「5人枠をうまく使えた。ゲーム全体の流れもボールの動かし方も良かったし、FWは一人1点ずつ取って気分的な部分で良かったのではないか。やりたいことや試したいことがゲームで出せた」と、運命のホンダ戦に向けて好感触だった。
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by tsc2007 | 2007-09-04 09:17
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