栃木SCふぁん!No.246 鳥取戦2-2
f0136083_12195281.jpg  11月に入ると今シーズンも終わりに近付いたな…と実感する。J2を目指して戦った初めてのシーズン。チームは大きく変わった。プロ選手が誕生し、プロ監督を招へいし、夜から昼の練習に移行した。選手を取り巻く環境はずいぶん改善されたようだ。フロントが形になり、取材メディアも一気に増えた。観客の多さや熱狂的サポーターはJ2並みだ。ひとつ足りなかったのは「勝ち点」だった。ガイナーレ鳥取と対戦した後期第13節は、前半の2点リードを守り切れずに2-2で引き分けた。勝ち点2を失い、残り4試合を全勝しても勝ち点55止まり。絶体絶命だ。数字の可能性にしがみつくより、かけがいのない残り一試合一試合を大事に戦うことこそが、のちのちプラスに作用するだろう。
  鳥取戦の前半は良かった。プレス意識が高く、パスのタイミングも速かったので、ポゼッションは高まりチャンスの形が多かった。5分に左CKをファーで米田(めた)が折り返し、ゴール正面の横山聡が頭でたたき込んだ。ホームゲームの先制点で県総合の競技場は爆発的に盛り上がった。15分には中盤から右前線につないだボールを米田が高安に渡し、グラウンダー気味のクロスをニアで再びサトシが右足で合わせてゴール天井を突き上げた。楽勝ムードとなったが、2-0で折り返す危うさをチームも当然わかっていて、ハーフタイムには「次の1点を相手が取ると難しくなるので先に1点取ろう」(柱谷監督)と申し合わせた。
  その通り、後半も序盤は栃木のペースが続いた。サトシや小林のシュートが惜しかった。60分には久保田が低い弾道の右足ミドルを見舞ったが鳥取GK井上がダイビングキャッチした。この好セーブのあたりから鳥取が攻撃の勢いを増した。後半から2人を代えて4バックを3バック気味にしていた。引き分けでもJ2昇格の可能性が消える鳥取は、捨て身で3点を取りに来た。それは十分わかっていたはずなのだが…。62分、栃木ゴール正面に入ったボールは扱いにくいバウンドだった。GK原がダッシュ。詰めてきた鳥取MF堀池との間を谷池がカバーしようとしたが、堀池が一瞬早く左足インサイドで浮かせて原の頭を越した。これが、今シーズンの栃木の息の根を止める象徴的ゴールとなった。なぜなら、これで2-1となり、危険マニュアル通り、終了直前に同点ゴールを許してしまったからだ。
  試合後、柱谷監督は「やろうとしているサッカーは見てもらえたと思う。もうちょっとのところ、流れを左右するところで、できない部分があった。もう少し一人一人が上げていければ、いいゲームができる。ほんとにもう少しなんです」と残念無念の表情だった。確かに前半は「ワクワクするようなゲーム運び」(柱谷監督)だった。これを後半も続けられるかどうか。ポゼッション、コントロール、カウンターアタック、アラートなDFライン。そういったところができれば、この日のような苦汁をなめることはないのだが、柱谷監督は「もうちょっとですね」を繰り返した。その「もうちょっと」のところを解決する手がかりを残り4試合で見つけたい。同時に、選手にとってはサバイバルがかかった真剣勝負の場にしてほしい。その結果、残り4戦を全勝すれば、来季につながる終わり方にはなる。
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# by tsc2007 | 2007-11-06 12:24
栃木SCふぁん!No.245 アルテ高崎に1-0
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  三菱水島戦5-0大勝に続くアウェーの最下位・アルテ高崎戦は、楽勝ムードとは裏腹に「0-0が続き相手が守り慣れて、難しいゲームになった」(柱谷監督)。それでも、エース山下のゴールで1-0の“理想的アウェー勝利”を収め、J2への夢をつなぐ勝ち点3を獲得した。
  山崎が出場停止、照井が負傷で、谷池と横山寛のセンターバック。右サイドに2戦連続で高安が先発した。アルテは渡辺克之新監督の初采配で選手個々の意欲が高く、ハードなプレッシャーをかけてきたので、栃木のパス回しは前節の三菱戦のようにうまくはいかなかった(三菱は夜勤明けとバスの遠距離移動の影響でコンディションの悪い選手が多かった)。大雨でスリッピーなピッチもやりにくそうだったし、アルテのGK岡田が当たりに当たっていて、栃木にとっては厄介な展開となった。「(3分の)修栄のヘッドが決まっていれば大量点になって前節の流れがつくれたはず」(柱谷監督)。そんな中、左サイドの小林が積極的で、シュート意欲も高く、再三チャンスに絡んだのが目立った。
  0-0で迎えた後半、栃木は高安に代えて深澤を入れた(深澤は左、小林が右に回った)。さらに上野を下げて小原を投入。70分には右CKから米田(めた)の決定的なヘディングシュートがあった。直後、横山聡に代わり山下が入った。このあたりから、300人以上も乗り込んだ栃木サポーターたちの応援ボルテージがさらに上がった(観客数は562人)。ズブ濡れで叫ぶ彼らの後押しに、選手のモチベーションが沸騰した。75分に深澤のパスから山下、78分には小林の右クロスから小原が惜しいシュートを放つ。そして80分、高野が「中に入れれば何かが起こると思っていた」と右クロス。柱谷監督の「2トップはボックスの中にいろ」の指示通り、ゴール前にいた小原がヘディングに行き、GK岡田が両こぶしでクリア。ルーズになったボールが「吸い込まれるように僕のところに来て、合わせた感じでリラックスして打てました」と山下が右足ダイレクトボレー。GKの上をドライブがかったシュートが越えてゴールネットに突き刺さった。これで勝負あった。
  試合終了後、サポーターたちの山下応援歌に合わせて、山下を中心に歓喜の輪ができた。ピッチ上ではニヒルな山下がみんなに乗せられて手拍子しながら跳躍した。交代策がうまくいった柱谷監督は「選手がしっかり意識して戦ってくれた結果。どちらにでも転ぶゲームだったから、勝てて気分的にも大きい」と1-0勝利に、してやったりの手応えだ。前節の横山聡のハットトリックに刺激を受けていたという山下は「久しぶりにチームに貢献できたと思う。引き分けに終わったらサポーターたちに申し訳ないので、あの場面で決められて良かった」と前期ホンダ戦以来のゴールに久々の笑顔だった。ピッチレベルで見ていた私の目には、ベンチと選手とサポーターの全員でもぎ取ったゴールと映った。J2昇格への困難な戦いの中で生まれた、感動的な1点だった。
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# by tsc2007 | 2007-10-29 18:28
栃木SCふぁん!No.244 三菱水島戦5-0圧勝
f0136083_17375315.jpg  後期第11節は気持ちのいい秋晴れの下、ホームの県グリーンスタジアムで三菱水島に5-0と圧勝した。なかなか目指すサッカーができていなかった柱谷監督は試合前「前半から飛ばして、ハイプレッシャーで行こう」と指示していた。それにイレブンがこたえ、前線も中盤も相手にどんどんプレスをかけて、完全にゲームを自分たちのテンポにした。柱谷監督就任後11試合の中でベストゲームだった。
  先発(4・4・2)の注目は右サイドハーフで初スタメンの高安。宇都宮白楊高監督の只木が全国選手権予選で出られずチャンスが巡ってきたが、柱谷監督が「ずっと使いたかった」という生きのいいルーキーだ。もう一人、ケガの片野に代わって左サイドバックに入った石川もプロ契約してから初スタメンで、DFとしての仕事が注目された。2トップの上野の相棒は4日前の水戸ホーリーホック練習試合で得点するなど好調の横山聡。
  試合は開始1分に早くも動いた。高安とのショートコーナーから久保田がゴール前にクロスボールを入れ、意表を突かれた三菱DF陣のマークを外したサトシが「後ろから巻いてくる難しいボール」をおじぎするようなヘディングでゴール左にコントロールした。攻め続ける栃木は29分、左サイドを抜けた小林からのクロスボールがゴール正面の上野を越えた裏にサトシがスライディングしながら右足ダイレクトボレー。ゴール右上隅に突き刺さる豪快なシュートが決まった。43分には高安が得た右CKを久保田がファーに合わせ、谷池が2試合連続のヘディングゴールを押し込んだ。
  今季初めてホームで複数得点の折り返しとなりムードは俄然盛り上がった。後半、三菱は岸田を入れて1トップの松永、センターバックの萩生田と3人の元栃木SC所属選手がピッチで対峙。栃木は62分に上野を山下に交代。68分には足がつった高安を下げて永井を投入した。サトシのクロスバー直撃弾や小林のポスト直撃弾があり、少し中だるみのような時間帯を経て、78分に深澤が左サイドに入った。売り出し中の切り札は15分間のプレーの中で、88分に快速ドリブルからサトシのゴールをアシストし、ロスタイムには山下のパスを受けて左45度から強烈な左足シュートを放ち自身の初ゴールを決めた。3734人も入ったスタンドは、今季最多得点で圧勝した喜びを選手たちと分かち合った。
  試合後の会見で三菱の熊代監督は「運動量、スペースの作り方、攻撃の組み立てなど、前期対戦時(1-0で三菱の勝利)と全然違った。サッカーのレベルの差を感じた。惨敗でした」と完全に脱帽。萩生田も「FW(サトシ)を乗らせてしまった」と大量失点にお手上げだ。柱谷監督はハイプレス作戦の成功に手応えを感じ「このようなゲームを続けていきたい。そのためには、もうちょっとフィジカルを上げないと」と、残り6試合の全勝を期していた。3回もゴリ・ダンスを披露したサトシは、プロになって初のハットトリック。「大きな一戦でチャンスをもらい結果を出せた」と自信を回復した。その3点目はJFL参入8シーズン目の栃木SCの記念すべきリーグ戦300ゴール目だった。
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# by tsc2007 | 2007-10-22 17:38
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