No.123 西川初ゴール
f0136083_211053.jpg 前期第5節の流通経済大学戦で、トップ下の西川吉英(28)が今季初ゴールを決めた。矢板東高―中央大から大分トリニータ、湘南ベルマーレを経て、昨季途中に佐川印刷から移籍。栃木加入2試合目で初ゴールをあげた時の相手も流経大だった。佐川印刷時代を含め昨季8ゴール。今季は1トップを務める吉田賢太郎とともに得点王を狙う立場として開幕を迎えた。
  「春先(プレシーズン)にヒザや足首をケガし、調子が上がらないままリーグ戦が始まったんです。コンディションの上げ方を模索しながらのプレーでしたね」という西川は、開幕4試合のうち3試合に先発したが、いずれも途中交代。「守備のやり方の問題」と自覚しているが、前線の選手として「シュートも打っていなかったんで…。結果(ゴール)が出ていないのは申し訳ないと思っていました」。事実、交代出場した第3節も含めた4試合の公式記録のシュート数はたったの3本だった。
  西川は流経大戦の1週間ほど前、紅白戦の時に「思い切って当たりに行けるようになった」と、コンディションと意識の変化を感じた。だから、栃木市での今季5試合目は、密かに自分を試す大切なゲームだった。只木と2シャドーを組み、吉田とのポジションワークを繰り返した。13分の只木のパス、28分の菊地からの右クロスから狙ったシュートは惜しかった。35分には只木が入れた低い右CKをダイレクトボレー。わずか右に外したが、ジャストミートの鮮烈な弾道だった。さらに39分、44分と、得点を予感させるアタックを見せた。
  59分、右サイドに開いた吉田が只木につなぎ、只木がゴール正面の西川に素早くクロスボールを放り込んだ。西川は迷うことなくダイビング。額でとらえたボールが相手ゴールに吸い込まれていった。競った流経大DF石川が遅れて体の上にかぶさった。両手を広げて栃木サポーター集団の下に走る西川に、茅島や堀田が走り寄って祝福。タッチライン際で待つ高橋監督ともハイタッチした。「ああいう場面では、一歩前に出なくちゃ仕事ができません。フォワードですから」。MF登録の西川は試合後、はっきりと「フォワード」と言った。
  得点後も2回、決定的シーンがあった西川の公式シュート数は、吉田と同じ6本。3・6・1布陣の中で、実質的には吉田との2トップであることを象徴する数字でもある。今季初の90分間フル出場だったことも、西川にとってはゴールと同じくらいの大きな意味があっただろう。「もう、いっぱいいっぱいでしたよ」。精魂尽き果てた顔が「ケガでビビッていた自分があったですけど、これで行ける、と思いましたね」と吹っ切れた表情になった。その傍らで記者団に囲まれた吉田が「自分は絶対的1トップではないから、(西川を含めた)3トップの流動的動きの中でお互いに連動していきたい」と言った。
[PR]
# by tsc2007 | 2006-04-19 12:09
No.122 刈谷戦のトライ
f0136083_2111329.jpg 前期第4節のFC刈谷戦。前主将で「司令塔」「チームの心臓部」と称されるMF只木章広が、高橋高(たかし)監督4シーズン目で初めて、ベンチスタートとなった。先発メンバーには、新人の23歳MF菊池洋平(宇都宮白楊高―国際武道大)の名があった。「いつまでも只木に頼っていてはいけない。新人を思いっ切りテストした。これは、僕自身のトライでもあった」と高橋監督は言葉に力を込めた。
  菊池は30歳のベテラン堀田利明とボランチを組み、守備に比重を置きながらもスキを突いては前線に進出した。「守備も展開力も新人とは思えない冷静さだった」(高橋監督)。3日前の木曜夜の練習で先発を告げられた。「驚いて、緊張しました」。前節のホンダロック戦にラスト15分で起用され、思うような働きができていなかったからだ。しかしこの日、高い技術と可能性を秘めたルーキーに90分間の時間が与えられた。「堀田さんとのコミュニケーションを意識しました」と、バランスを考えながらも「攻撃参加が持ち味」と積極的なアタックを5、6回試みた。「受け手の後ろに出してしまった」と、22分の右サイド・松本修へのパスミスを反省するが、その失ったボールを自ら奪い返すガッツも見せた。初のフル出場に「次の試合に向けて気持ち的に余裕ができました」と自信をつけた菊池。自分の役割を「攻撃では、うまく展開してリズムを作ること。守備では、相手のくさびにきっちり対応し前につなぐこと」と迷いはない。
  もう一人の“トライ”は61分交代出場の22歳MF本田洋一郎(弥栄西高―国士舘大)。20分間プレーした前節よりも「ボールに触れる時間が多かった」とゲームに入り込めたが「DFを突破してシュートに行くべき所でパスを選択してしまって…」と反省の弁。「もっと自分の中にプランを持って仕掛けなければ、と感じました」と一歩成長した。前節のホーム戦でピッチに入った時「応援の雰囲気がすごいなあ」と思った。「サポーターの存在が(自分の)成長につながるんでしょうね」と、JFLでのプレーに意欲を新たにした。指揮官は「周りに遠慮していたね。もっと自分で仕掛けていい。技術も高いし、ウチの得点源になり得る」と、本田を起用する機会を増やす考えだ。
 0―0で迎えた後半、高橋監督は只木を投入して勝負に出た。これでゲームの流れを一気に引き寄せ、2―0の勝利をつかんだ。最年長(4月16日で31 歳)の只木は、90分間走り回るダイナモだが、年齢を考えると、この日のような起用も一つの選択肢だろう。刈谷戦後半の盛り返しは、只木の力がまだ必要なことを証明した形だが、高橋監督の「トライ」によって、新たな力の台頭を確信できた試合となった。
[PR]
# by tsc2007 | 2006-04-12 21:10
No.121 刈谷戦2ゴール
f0136083_21115865.jpg 前期第4節のアウェーのFC刈谷戦は2-0で勝ち、3勝1分けとした。佐川急便東京、アローズ北陸、YKKAP、ホンダの4チームが4連勝しているので順位は5位だが、勝ち点2差で、序盤としては悪くないポジションだ。
  栃木は只木をベンチに置き、新人のMF菊池洋平が堀田とボランチを組んだ。堀田の相棒の種倉は左サイド。右には今季初出場の松本が入った。1トップは前節を体調不良で欠場した吉田賢太郎。刈谷はFW登録の4選手を前線にそろえ、4バックの前のボランチにJ経験のあるDF浮氣が攻守のコントロール役として入った。前半から栃木が押し気味だったが、刈谷も中山、原賀の若いアタッカーが挑んできた。42分、左から中山が低い体勢のフェイントとドリブルで突破しグラウンダーのクロス。栃木ゴール前を抜けた所をフリーの伊藤がシュートしたが、大きく外した。このワンプレーがゲームの行方を左右した。
  0-0で折り返した後半、前節のスコアレスドローが頭をよぎった高橋監督は、すかさず只木をトップ下に投入した。相手ゴール周辺ばかりか栃木の守備エリア深くまで神出鬼没の只木の運動量に、刈谷側は辟易させられたに違いない。52分に左サイドの種倉が接触プレーで左太ももを痛め、急きょ遠藤が右に入り、松本が左に回った。さらに61分、新人MF本田をトップ下に入れ、松本が外れた左に只木を配置した。後半、ゲームを支配した栃木にゴールが生まれるのは時間の問題だった。
  70分、栃木は攻め込みながらフィニッシュに至らず、相手カウンターになりかけた。上がり気味だったDF山崎がインターセプトし、近くにいた只木にボールを預けた。「相手DF4枚がきれいに並んで止まって見えた」という山崎は猛然と攻撃参加。そこに只木からフワリと浮き球のパスが入った。山崎は「GKが前に出ているのが分かった。なぜか落ち着いてシュートを打てた」と、GKの上を狙って右足インサイドのボレーでループをかけると、ボールは放物線を描いて刈谷ゴールに吸い込まれた。山崎は開幕戦に続く2点目。
  その後も高秀のヘッドや只木の強烈な左足シュートで脅かす。79分の追加点は、照井と吉田賢によるピンポイント&テクニックのコラボレーションだった。FKを蹴る照井と最前線の吉田がアイコンタクト。「ぴったりとボールが入ってきた。相手は疲れていたのか一発で当たって来る感じだったので、駆け引きできた」と、吉田はワントラップで相手DFを置き去りにした。ゴールライン側を突進し右足を振り抜いたシュートがGKを弾いて転がり込んだ。吉田は3試合で3ゴール。もう誰にも「エース不在」なんて言わせない。「照井の精度の高さや高秀のフリーランもあった。トータルで取った得点。栃木らしいでしょ」と吉田は謙虚に笑った。
[PR]
# by tsc2007 | 2006-04-10 21:11
栃木SCオフィシャルWebサイトへ