栃木SCふぁん!No.240 佐川急便戦ロスタイム失点
f0136083_15362169.jpg  雷雨で延期だった後期第8節の佐川急便アウェー戦が9月28日金曜日の午後1時キックオフで行われた。気温32度を超えて、空模様は中止の日と同様あやしかったが試合は無事に終了した。しかし栃木SCにとって内容は無事どころか、退場者を出して劣勢を強いられ、ロスタイムに悪夢を見ることになった。
  栃木は22歳の深澤を先発起用。2トップは横山聡と上野。石川裕之がベンチ入りした。序盤は互角だったが、栃木にアクシデントが続発する。14分、佐川右サイドに入ったボールを堀田と米田(めた)が追って奪取し、前の深澤につないだ。佐川が2人でチェックしボールを失いそうになり、堀田が戻って局地戦となった。お互いに主導権を握ろうとテンションの高いせめぎ合いになった中、堀田が右脚を痛めて倒れた。この一連のプレーが試合の流れを決した。
  堀田が治療のためにタッチライン外に出ていた数的不利の2分間。佐川は左サイドのDF旗手とMF堀が二人で連係しスピードに乗って栃木陣内に侵入した。堀を照井が倒してイエローカード。ちょっと厳しい判定だ。このFKは事無きを得たが、堀田はピッチに戻れず、久保田が代わりにボランチに入った。一進一退の攻防が続き、38分に再び事故が起こった。FKチャンスで栃木DF陣も上がっていた裏を突こうとピッチ中央の佐川FW中村がダッシュした足元にボールがつながった。抜かれるとGKと一対一の大ピンチ。近くにいた照井がスライディングでボールに行ったが、足がかかったか、主審のホイッスルが鳴った。2枚目のイエローカードで退場だ。強力攻撃陣を誇る首位・佐川急便に対して、アウェーで数的不利という最悪の事態。柱谷監督はFW(聡)を削ってDFの穴を谷池で埋めた。
  ここからは佐川が余裕のボール回しで得点機をうかがった。後半はほとんどワンサイドゲームとなったが、62分の久保田、77分の深澤、87分の山崎のシュートは惜しかった。「まずは勝ち点1。チャンスがあれば3を取りにいこう」(柱谷監督)との考え方のもと、栃木が勝つ予感さえ漂った。必死に守る選手たちの奮闘ぶりが良く伝わってきた。4分のロスタイムの3分ほどが経った時、佐川左サイドの旗手がゴール前のツインタワー(御給と竹谷)にロングボールを入れた。交代出場の身長188センチ・竹谷がジャンプ。前に出たGK原との空中戦となったが、竹谷のバックヘッドが一瞬早かった。ボールは緩くはねてゴール右隅に吸い込まれた。
  原は65分に接触プレーで痛んで治療に5分間も要した。89分には「遅延行為」でイエローカードまで受けた。そしてロスタイム、この日最大のアクシデントが襲ったのだった。終了のホイッスルの瞬間、原の赤いユニホーム姿は緑の芝生に突っ伏した。只木や高野たちチームメートに抱き起こされるまで動けなかった。すでにJ2昇格に赤信号が点灯していた栃木。現時点でJFLナンバーワンの強豪相手にハンデキャップを抱え込んでしまった試合で、善戦むなしく勝ち点0に終わった。その結果の深刻さを最後の光景が如実に物語っていた。
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# by tsc2007 | 2007-10-01 15:37
栃木SCふぁん!No.239 天皇杯3回戦進出
f0136083_9562451.jpg  第87回天皇杯全日本サッカー選手権大会に10年連続10回目の出場となった栃木SCは、初戦の2回戦でホームの県グリーンスタジアムに滋賀県代表のFC Mi-OびわこKusatsu(以下「FCミーオ」)を迎えた。ミーオは近江(おうみ)を逆からイタリア語風(「私の」という意味)に呼んだ愛称だそうで、草津市をホームに関西社会人1部に所属し、将来のJリーグ昇格を目指す新興チーム。監督は今季途中までJFLのFC岐阜を指揮した戸塚哲也氏だ。戸塚監督には前期の足利市でリーグ戦初黒星をつけられたので、栃木には密かなリベンジ意識があった。
  双方4・4・2で対峙。4分に小林の右FKを横山聡が頭で合わせて先制した。格上の栃木が余裕のゲーム運びを見せ、左サイドの小林、追い越す片野、絡む米田(めた)と、いい流れで攻撃を組み立てた。センターバックの照井が小林に通すロングパスは相手守備網を揺さぶった。ところが34分、その照井がパスミスし、最も警戒していたFW冨田に奪われ、ドリブルで持ち込まれて同点シュートを浴びてしまった。「雰囲気にのまれて硬かったが同点にしてからは持ち味が出せた」と戸塚監督が振り返ったように、FCミーオにとっては大きな1点。格上相手にアウェーで同点にした彼らは、徐々に自信に満ちてきた。バックラインを高く保って中盤をコンパクトにし、攻守にわたって味方との距離を密にする堂々の戦いぶりだ。先発平均24・1歳と若い彼らにとって「戦える」という自信は戦術以上の力になった。
  後半も栃木は攻めあぐねたので、59分に22歳・深澤を投入した。柱谷SCになってからのニュースーパーサブは、いきなり左サイドを突破して、一気に栃木ペースに引き戻した。3分後、上野がヘッドでつないだボールを深澤がクロス。中で横山聡が冷静に左足でシュートを決めた。この日2回ゴリ・ダンスを披露したサトシは「得点を決めることだけを考えていた」と、最高の結果に安堵の表情。アシストの深澤は「点に絡めたが、一対一で何回も引っかかってピンチになった。一日一日が勝負」といつも通り反省の表情だったが、86分に相手DFを前にしてゴール枠に放った強烈な低弾道シュートは可能性を感じさせた。その後、FCミーオは4本のきわどいシュートを放って元気のいいところを見せたが2-1で終了。戸塚監督に勝った栃木が3回戦進出を決めた。
  試合後の記者会見で柱谷監督は「最後はすごくスリリングな展開になってしまって…」と苦笑い。「同点になってからは相手も集中が高まって難しいゲームになった。幸次(深澤)がらみで点が取れて、うまくはまった感じ」と作戦的中だ。「照井があんなにうまいとは思わなかった」と序盤の好プレーに触れた後、「ミスは起きるものなので、その後が大事」と、信頼を寄せるストッパーに自信を持つよう促した。3回戦の相手はJ2のアビスパ福岡(10月7日・博多)。1週間前にヴェルディ戦を見た限りでは、栃木がまったく歯がたたない相手ではなかった。2年連続でJ2を撃破するのも夢ではないと思う。もちろん今シーズンは、天皇杯よりJFLリーグ戦の方が大事なのだが、公式戦でJのチームに勝つことは、Jリーグ準加盟の栃木SCの将来に向けて、必ずやプラスに作用する。
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# by tsc2007 | 2007-09-25 09:57
No.238 一観客の日曜日
f0136083_9444574.jpg  天皇杯1回戦が全国で行われた9月16日の日曜日は、栃木SCが2回戦からの登場となった関係で、珍しくスケジュールがぽっかりと空いた。東京ヴェルディ1969のホーム戦があったので、味の素スタジアムに応援に行った。快晴でまぶしい緑のピッチは、昨年の天皇杯3回戦で栃木SCがヴェルディを1-0で破った舞台。あの快挙がつい最近のことのように思い出された。
  J1復帰を目指す4位・ヴェルディの相手は、勝ち点3差の7位・アビスパ福岡。アビスパは、栃木SCが天皇杯2回戦に勝つと3回戦で戦う相手だ。いつもはヴェルディ側ばかり見るのだが、この試合はほとんどアビスパ側を見ていた。偵察要員の気分だ。3・6・1で、先発はGK神山、3バックは長野、宮本、チェッコリ、ダブルボランチは城後と布部、アウトサイドの右に田中、左に久藤、ウイング的な2列目の右に長谷川、左にアレックス、1トップはリンコン。アウェーで守備的ながら、長谷川とアレックスがワイドな位置からゴールに向かう動きや、田中が長い距離を走って攻撃参加するのが目についた。ヴェルディに2点リードされてからは前がかりになり、終盤には長野を上げて長谷川と2トップのパワープレーに出た。スコアは2-0でヴェルディの勝ちだったが、ヴェルディGK高木が決定的危機を3本止めた結果でもあった。
  試合前、知人のヴェルディサポーターが新聞見開き大で印刷された緑色の応援ボードを客席で配っていた。「ヴェルディはもう一息だね」と声をかけると「栃木FCは厳しいんでしょう?」と、こちらの事情をよく分かっていた。東京の人間なので「FC」と平気で言う彼は「ま、来シーズン一緒に戦うことはなさそうですね」と微妙な言い回しだ。試合後の京王線の車内でヴェルディサポーターたちが「栃木SC」を口にしていた。耳をすますと「先生がいたんだろ?」「先生のチームですよ」「ウチらのあと、エスパルス相手に4点取ったね」「そんなに強かったんだ」「エスパルスは6点取ったけど」…。遠く離れた東京で栃木SCが語り草になっていることがうれしかった。
  その帰り、東京ドームの巨人-広島戦を観戦。9-0で巨人が勝って首位に立ち、盛り上がった。観客数45486人。相変わらず満杯だ。ヴェルディ戦は7274人で、こちらは5万人収容スタジアムがスカスカだ。J1でもJ2でも同じくらい。Jリーグ発足当初、本来の東京から川崎に追いやられた影響が癒えていない。カズやラモスが全盛で国立競技場が6万人の超満員になった試合を何度か取材した経験があるので、今のヴェルディの境遇は胸が痛い。それに比べて、わが栃木SCは今季の入場者が断トツの首位。前節のホンダ戦も5588人が訪れた。惨敗だったにもかかわらず、初めて観戦し感動したという50代の知人女性は「また必ず応援に行きます」と言った。今後も栃木のサポーターやファンはスタジアムに来てくれるだろう。久々に、一観客としてサッカーと野球を観戦した日曜日。私は改めて、栃木SCと、それを取り巻くシーンの素晴らしさを認識した。勝っても負けても、JFLでもJ2でも、栃木SCは栃木SCなのだと思った。
  9月23日の天皇杯2回戦の相手は滋賀県代表。その5日後、同じ滋賀県の佐川急便と延期試合を戦うのは何か因縁めいている。どちらも勝ってほしい。天皇杯でアビスパと当たれば、アビスパ史上最高のFWと言われる山下芳輝や、以前所属していた上野優作と米田(めた)兼一郎も水を得るかもしれない。佐川急便に勝てば、J2昇格に向けて息を吹き返す。
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# by tsc2007 | 2007-09-19 09:46
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