No.237 ホンダ戦0-3完敗
f0136083_17265570.jpg  強い日差しでまぶしい真夏日だった後期第9節のホンダFC戦。今季3番目に多い5588人もの観客の前で、J2昇格のために負けてはいけない栃木SCが、前半にまさかの3失点を食らって0-3で完敗した。前年覇者のホンダは底力のあるチームだから、アウェーならこの結果は仕方がない。でもホームだったのだ。ここ2年ほど互角に競い合っていたチーム力はどこに行ってしまったのだろうと思わせるような、不甲斐ない試合内容に唖然とさせられた。
  4・4・2同士、がっぷり四つの好ゲームが期待された。しかし前半、栃木が良かったのは16分に上野の左からのシュートが抜けたところに只木が詰めたシーンだけ(オフサイドでノーゴール)。栃木はワンサイドゲームと言っていいくらいにやられ続けた。21分、ホンダ右サイドで堀切が柴田につなぎ、クロスボールを正面から新田がヘディングで決めて先制。守備要員は足りていたのに簡単に失った。36分には左に流れた柴田がグラウンダーでセンタリングし、新田がスルーした後ろで西がスライディングしながら押し込みホンダが追加点。さらに39分、右の堀切から柴田を経て中央で受けた糸数が左足ロングシュートを右隅に放り込んだ。
  3点を追う後半、栃木は高野を下げて久保田を入れ、3バック気味にした。右サイドの小林に代えて高安も同時に投入。「先に1点を取れば流れが変わる」(柱谷監督)と、サイドから前へのスピード勝負に出た。ところが前半同様、ホンダは栃木のサイドハーフを数的優位で徹底マークし起点をつぶした。栃木はさらに堀田に代えて山下も入れ、超攻撃的シフトを敷いたが、決定的シーンは85分に只木、久保田、小原がワンタッチをからめてパスを回し、最後は山下がシュートした1本にとどまった。ロスタイムには、裏に抜けたFW川島を山崎が後ろから倒してレッドカード。もう散々だった。
  試合後、柱谷監督はアラート(常に油断せず機敏に対応すること)という表現を使い、山崎の退場を「今日のゲームを象徴するシーン」と指摘した。アラートは野球やバレーボールなど他のチームスポーツにも必要なものだが、脚への負担がある。サッカーは走る距離が長くて体力消耗が激しい分、アラート意識が薄れやすいが、栃木には前半からこれが足りなかった。例えば、ホンダの右サイドバック堀切はまさに90分間、アラートな状態だった。ボールが遠くにあるのに、彼の両足が小刻みに反応していたのを私は何度も見た。
  それにも増して私の目には、山崎だけでなく栃木のほとんどの選手に疲労がたまっているように見えた。みんな体が重そうだった。昼練習に移行して2か月。猛暑日が続いた夏の疲れはピークではないだろうか。選手に聞いても、誰も弱音は吐かないけれど、フィジカルコンディションが心配だ。負けられないプレッシャーはさらに強いだろう。メンタルコンディションは大丈夫だろうか。シャワーだけでなく、ちゃんとあったかい風呂に入っているだろうか。
  4位以内が至上命題の9位・栃木にとって勝ち点0は致命傷。流経大に抜かれて10位に下がったが、次の試合(9月23日の天皇杯2回戦)まで2週間、次のリーグ戦(9月28日の佐川急便戦)まで18日間。コンディションを回復するだけの時間はある。
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# by tsc2007 | 2007-09-12 17:28
No.236 天皇杯出場決定
f0136083_9162995.jpg  栃木トヨタカップ第12回栃木県サッカー選手権大会の決勝戦にJFLスーパーシードの立場で臨んだ栃木SCは、挑戦者・作新学院大を4-1で退けて、10年連続10回目の天皇杯出場を決めた。全国リーグで戦っている栃木SCには、県内に敵はいないから、順当な結果だ。むしろ、J2昇格がかかっているリーグ戦に向けて、戦術確認や連係強化といった側面を持つ試合だった。先発は前週のYKK AP戦と同じメンバー。違うのは、交代枠が5人もあり、11人もベンチ入りできるという、この大会独自のレギュレーション。柱谷監督は「5人枠と知ってびっくりした」そうだ。親善試合や練習試合ではよくあるが公式戦では珍しいからだ。翌週に強豪ホンダ戦を控える指揮官にとって、5人も交代できるのはプラスだった。ベンチに8人入れて、5人枠を全部使った。
  両チームとも4・4・2だが、作新大がトップに1人を残して10人でがっちり守り、栃木がポゼッションして作新大ゴールに迫る予想通りの展開。格下といっても引いた相手を崩すのは難しい。17分、FKからのヘディングシュートで先制を許してしまった。サッカーではよくあるシーン。こういう時は「あわてないことが大切」(上野)。その通り、栃木は攻め続け、32分の右CKの際に上野がエリア内で引っ張られてPKを獲得。上野自身が決めてまず同点。39分には右サイドで高野が起点となり、小林が入れたクロスボールを相手DFがかぶって抜けたところを小原が腹でトラップし右足で蹴り込んだ。前半はやや攻めあぐねた感じもあったが、ミドルも含めてシュートをどんどん放ったし、各選手が丁寧に枠をとらえる意識でシュートを打っていた。
  後半は前半にも増して、サイドバックの攻撃参加とそれに伴うDFラインやボランチ、前線などのコンビネーションを確認する意図が見えた。60分には上野と小林に代えて山下と高安を投入。さらに小原→横山聡、片野→横山寛真、只木→久保田の交代があった。片野は警告累積でホンダ戦出場停止なので「一度(実戦で)合わせておきたかった」(柱谷監督)と、サイドバックの右にノブ、左に修栄を置いた。二人とも得意なポジションだし、盛んにオーバーラップを仕掛けていた。右のワイドに張った高安は「前への突破力があることがわかった」(同)と評価を得た。67分、相手ペナルティエリア右外で、前に仕掛けた高安が倒されてFKを得た。キッカーは米田(めた)。ゴール前で両軍がひしめく。その時、山崎が山下に「空けてやるから後ろで狙って」と耳打ちしたそうだ。米田がキック態勢に入り、選手の一群はゴール側へ。その瞬間、山下は一人ゴールから離れる動きでフリーになり、そこへ米田からグラウンダーのパスがきた。右足ダイレクトでシュートし3点目。「練習でもやっていなかった」(山下)というサインプレーが見事に決まった。67分には聡が久保田のクロスを受けて4点目。サポーターに向かって控え目なゴリ・ダンスを見せてくれた。
  柱谷監督は「5人枠をうまく使えた。ゲーム全体の流れもボールの動かし方も良かったし、FWは一人1点ずつ取って気分的な部分で良かったのではないか。やりたいことや試したいことがゲームで出せた」と、運命のホンダ戦に向けて好感触だった。
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# by tsc2007 | 2007-09-04 09:17
No.235 3位・YKK APに快勝
f0136083_18375867.jpg  未消化だった後期第7節のYKK AP戦は、夏休み最後の週末、栃木県グリーンスタジアムで行われた。炎天下だが、ピッチと周辺の緑、真っ青な空がステージ感を高めていた。相手は3位。柱谷監督は順位が上にいるチームには「絶対に負けられない。引き分けでもダメ」と、常に選手に言い聞かせているという。雷雨で延期の佐川急便戦も含めてこの5試合定着しているDF・MF陣の先発による4・4・2。2トップは加入後11試合にすべて先発している上野と、加入後3試合目の小原。3・5・2のYKK APは守備の要の濱野が出場停止。柱谷監督は「相手に引かれる前に速く攻める」ことを試合のコンセプトにしていたが、前半の栃木は攻撃の仕掛けが遅く、相手に引かれてから攻めようとして、攻めあぐねていた感じだった。
  むしろ序盤はアウェーのYKK APの攻撃が上だった。特にJ2愛媛FCから今季加入した身長162cmのFW猿田のスピードと運動量は傑出しており、前半だけで3本の決定的シュートを浴びた。それでも栃木は、24分に左サイドで片野が起点になったチャンスから只木、堀田、米田(めた)が連続シュートを放ったシーンなど、ゴール意欲は高かった。
  0-0で迎えたハーフタイムに柱谷監督は「相手3バックに単純に入れても難しいから、しっかりつないでいくように」と指示。4バックの栃木に必要なのは両サイドバックの上がりだが、後半は右の高野、左の片野ともに前への意識を高め、これにつなぎの共通認識が融合して「両サイドの優位性が出た」(柱谷監督)。47分に小原が放ったミドルシュートは、自身のゴールを予告する狼煙(のろし)だった。53分、右サイド高い位置で只木と高野が粘ってキープ。高野がゴールライン際から入れたボールに、上野の後ろで小原がダイビングヘッドを決め先制。58分には相手GKとDFの不用意なパス交換を只木が狙い、再び小原が突進して流し込み追加点。スタジアムは熱狂の嵐に包まれた。その後も山下、久保田、高安を投入して攻め続け、2-0で勝利を収めた。
  柱谷監督は「前半から、こうすれば崩せるというイメージはあった。あとはキックの精度やタイミングの問題。小原のゴールは、途中加入の本人にとっても、我々にとっても良かった」と、古巣の京都から引っ張った効果が出てうれしそう。YKK APの楚輪監督は「小原の捨て身で突っ込んでいく迫力に、栃木が今おかれている立場が感じられた。その気持ちがサポーターに伝わって、得点してからはJリーグの雰囲気に近いすごい声援になった。後半は完敗だった」と言った。小原は「途中加入だしFWなので、点を取れて正直ほっとしました。相手は僕たちが目指すポジション(3位)にいるので、引き分けも許されなかった。自分は人に使われてナンボの選手。いいクロスボールが入っても決められない場面があったのが反省点ですね。最低でも枠に打って決定力を高めていきたい」と栃木加入後の初ゴールを素直に喜んだ。FWの得点は前期第17節の吉田賢太郎以来で、柱谷監督就任後7試合目でやっと出た。誰が決めても1点は1点だが、決めるべき立場の選手が決めることでチームは高揚する。
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# by tsc2007 | 2007-08-27 18:38
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