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No.220 Better late than never
No.220 Better late than never_f0136083_15334839.jpg  三菱水島に敗れ、6勝5分け4敗で7位後退となった栃木SC。どう考えても、危機的状態極まれり…だが、にわか豪雨が一転して笠岡に広がった青空を見上げ、なぜか分からないが「もう大丈夫だ」と思った。ヤケクソになったのでも、達観したわけでもない。J1から移籍した上野優作の栃木SCデビュー戦。出場停止の北出と小林の代わりに「右サイドバック遠藤、ボランチ山田のベテランで後ろを安定させて、前の上野と山下に大車輪で働いてもらおうぜ」というのが私のつたない発想だったが、高橋監督は「経験と実績がある」センターバック専門の横山寛真と「モビリティーがある」ルーキーの深澤を共に今季初起用した。勝利という結果には結びつかなかったが、この発想は悪くないと思った。試合後の二選手の話…。
横山は試合前夜、笠岡の宿舎で高橋監督からスタメンを伝えられた。「今季初めてだから緊張するかと思ったけど平常心で入れました。信頼しているんだゾ、とホテルで監督に言われた言葉を忘れずにプレーしました。サイドバックなので守備から入って、前の選手との連係を確認して攻撃参加することを考えながら」。30分には久保田を追い越して深い位置からクロスボールを供給した。右ひざのケガもすっかり良くなって体調万全。「けっこう攻撃が好き」と、久々の公式戦ピッチの感触を確かめた前主将は「みなさんが思っているほどチームの雰囲気は悪いわけではないですよ。優勝をあきらめるなんて、一回も思ったことないし。みんな、しっかり前を向いて、トレーニングをやって試合に臨んでいます。見捨てないで応援してください!」。在籍7年目のベテランの顔に、リーグ戦へのさらなる決意がみなぎっていた。
深澤は、プロ契約の新加入選手の陰に隠れた感じだったが、ボランチで試されており、ついに公式戦デビューを果たした。「前に積極的にからむことと、運動量で勝負」と臨み、「ボールが前の上野さんや山下さんに入った時に、うまくサポートできなかったり、ボールを奪う回数も少なかった」と反省の弁ばかりだったが、53分間のプレー時間の中で、何度も前線にボールを運んだり、中盤でのポゼッション意識を発揮した。「試合に出るために努力してきました。悪いムードを変えるために入ったのに、この結果は悔しい。ボールを運ぶのか、ボールを入れてリズムを取るのか、はっきりプレー出来なかった。自分なりの課題が見つかったと思います」。新人の必死さが良く表れた初戦だった。ボールを持った時の前に向かう勢いはピカ一。開幕戦で注目された高安と共に、もっと見たいルーキーだ。
6月12日から昼間のトレーニングがスタートした。鹿沼市の人工芝と県総合の芝生で、プロ契約選手と都合がついたアマ選手が参加。木曜夜はグリーンスタジアムで練習できるようになった。仕事で参加できない選手との練習機会の差が新たな課題となるが、「芝で練習」という最低限の環境改善に一歩近付いた。シーズン前にクリアしておくべきことだったが、「Better late than never(遅くても、何もやらないよりはまし)」ということわざの通り、これからも改善を進めてほしい。理想は「グリーンスタジアムで昼間に練習」。これが現実になれば、選手たちは真の力を発揮できる。
by tsc2007 | 2007-06-18 15:38
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