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No.227 米田加入で可能性見えた
No.227 米田加入で可能性見えた_f0136083_10513588.jpg  後期第2節のソニー仙台戦で最も注目されたのは、J2京都からレンタル移籍した25歳MF米田(めた)兼一郎だった。ベテラン32歳の堀田とボランチを組み、攻守に速くて柔軟な対応を見せて、栃木がゲームの主導権を握る要因となった。3分には上野のポストプレーを右の永井に好パスし栃木の初シュートにつなげた。その後も左の小林や右の永井に展開し攻撃の起点となった。16分には正面から自身の初シュート。27分には永井からパスを受け、ペナルティエリア内の相手守備陣の間隙を縫って素早いシュートを放った。仙台GK金子進のダイビングによって防がれたが、この試合一番のゴールチャンスだった。この時に米田が見せた、ボールを受けてからシュートまでの動きこそがJレベルのプレーだ。相手守備は数がそろっていて栃木のバイタルエリアを消していた。これを絶妙なコントロールでボールを運び、わずかなシュートスペースを自らつくり出した。
  米田は30分にイエローカードを受けたので、その後のプレーは少し慎重になった。それにつれて栃木の攻撃の勢いは衰えた。これが前回書いた「中だるみ」の一因だ。それを引き戻したのが交代投入された深澤の頑張りと横山聡のシュート意欲だった。その後半。時間は71分。スタジアムに静かな衝撃が走った。栃木3人目の交代。茅島がピッチサイドに立った。第4の審判が掲げた電光ボードの数字は「8」。茅島と握手してラインをまたいだ瞬間、堀田のJFLリーグ戦連続フル出場記録更新は91試合で途絶えた。柱谷監督がゲームに勝つために投じた一石に過ぎなかったが、この試合から栃木SCが変わったことを象徴する分水嶺でもあった。それだけではない。小林をトップ下にして米田をシングルボランチにする「ダイヤモンド型」の中盤で勝負に出たのだ。この修正は「機能した」(柱谷監督)。あとはサトシが決めれば良かっただけだ。4・4・2布陣の中で今後この形を採用するかもしれない。米田の加入がそれを可能にした。ただ、夏の暑い期間はシングルボランチは体力的にキツいから、周囲のフォローやカバーリング意識が必要になる。ボランチが孤立しないように、バックラインが下がり過ぎないこともポイントとなる。
  試合後の公式会見で柱谷監督は米田について「ボールの受け方やつなぎの技術、判断力など、やっぱりレベルが高い」と、京都時代の秘蔵っ子が期待通りの働きをしてくれたことに満足そうだった。「施設が充実している京都から、ホントよく(栃木に)来てくれましたよ」。米田は「(今季の京都で)試合に出られない状態だったので、何かチャレンジした方がいいと思っていた。家族やこれまでお世話になった人にも相談し、(柱谷監督の誘いを受けることを)決断しました。観客も多くて、こんなにいい雰囲気の中でできるとは思わなかったし、久しぶりの試合だったので喜びを感じましたね。積極的にプレーできたので良かったと思います。攻撃でも守備でも、しっかりゲームをつくっていきたい」と、気持ちよさそうに汗をぬぐった。
  蛇足だが、栃木県グリーンスタジアムの芝生は深過ぎると感じた。両チームの選手とも、ボールの走りやコントロールに戸惑っていたし、涼しい中の試合にしては脚への負担が多かったように見えた。
by tsc2007 | 2007-07-12 10:07
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