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No.233 ロッソ熊本戦0-1敗戦
No.233 ロッソ熊本戦0-1敗戦_f0136083_10175594.jpg  2連勝で乗り込んだJ準加盟同士のライバル・ロッソ熊本戦。栃木は、これに勝って勢いを本物にして4位以内確保へ突っ走りたいのと、前期にホームで完敗しているので昨季同様にアウェーでリベンジする2つの大きな目的があった。お互いに4・4・2。2トップは栃木がJ50ゴールの上野と小原、ロッソが得点ランキングトップの高橋泰と小林陽介。JFLとしてはハイレベルな対決だ。ロッソの2人に前期は1ゴールずつ決められている栃木は、この2トップをいかに抑えるか、いかにボールを入れさせないかが守備のテーマだった。
  強敵相手のアウェー戦、脅威の2トップ。栃木は堅守速攻の作戦を敷いた。しっかりとブロックをつくり、ボールを奪ったら中盤とサイドを使って前線につなぐ意図だった。開始10分までは悪くなかった。ところが10分、ロッソ右FKから小林陽介がダイレクトボレーでシュートしたのを境に、栃木の攻撃は鳴りをひそめ、堅守というよりは専守防衛に入った。チーム戦術的にそうなったのではなく、ロッソの前への圧力に押されて引き気味になった。これには選手やスタッフは反論するかもしれないが、私の目には明らかにロッソのラッシュを怖がって守備一辺倒になったように見えた。ただ、センターバックの山崎と照井を中心に、ロングボール対応は完ぺきにできていた。自陣ゴール前の制空権を握れば、守備に人数をかけているから、よほどのことがない限り失点はしない。そんな状況で前半を終了した。見かけ上はロッソのワンサイドゲームだったが、0-0の折り返しは栃木の目論見に近いシチュエーションだった。
  後半もロッソの猛攻にさらされた。特にボランチの喜名が素晴らしかった。出足の速さ、展開力、ワイドな運動量、技術の高さ。こんな選手がいたらJ2に行っても戦える。さらに左の関、右の熊谷がサイドバックやボランチとの連係を密にして襲いかかるから、栃木は守りで精一杯になった。サイド攻撃がまったく機能しないし、DFラインからのビルドアップもほとんどできなかった。失点シーンは83分、ロッソ左CKのこぼれを栃木がクリアし切れずに奪われ、北川に速いクロスを入れられた。栃木DFラインはそろっていたが、意表を突かれた感じで山崎が一瞬競り遅れ、吉井に頭で合わせられた。ボールは左ポストに当たってゴールインした。
  大事な試合に、栃木は何もできなかった。モチベーションの高さも、気迫も感じられず、ロッソにされるがままに、ただ対応するだけに見えた。これでは、引き分けはあっても勝利は望めない。柱谷監督は試合後の会見で開口一番、ピッチの悪さを挙げて「つないで攻撃の形をつくるゲームをしたかったが、できなかった」と言った。その通り、ピッチは良くなかった。でも、前期ロッソに完敗した足利市総合運動公園や、栃木が今後2試合を予定している栃木県総合運動公園は同様に悪い。栃木に足りなかったのは、自信や闘争心、思いっきりの良さといったメンタル面の強さではなかったか。言い換えれば、長くてシビアなリーグ戦に必要な「ゲーム的な体力」の不足。実は、昨シーズンにロッソが失速した原因を池谷監督は以前、この言葉を使って説明していた。今度は栃木の番なのだろうか。
by tsc2007 | 2007-08-08 10:17
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